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南海電気鉄道の特急列車「ラピート」は関西国際空港と大阪・難波を結ぶ。利用する訪日外国人の半数近くは海外で切符を買っている。インバウンド事業部課長の矢野到さん(53)がアジアを中心に開拓した32の旅行会社の販売網の成果だ。「ガイドに載っていない」を口説き文句に、自分なりの大阪の観光情報を伝えて関心を引き付けた。

「目の前で野菜や肉を焼くんです」。矢野さんが今年に入って中国の旅行会社に教えている観光スポットは大阪・ミナミの法善寺横丁にある炉端焼きの店。昔ながらの趣のある和風の店内の写真をスマートフォンで見せながら、「観光ガイドには載っていません」。

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特急「ラピート」は関西空港駅となんば駅を最短で34分で結ぶ(なんば駅)

5月に台湾・高雄で開かれた旅行イベントでも格安航空会社のピーチ・アビエーションなどと合同で出店したブースに立って4日間にわたり、「観光ガイドに載っていないおすすめのお店を教えますよ」と通訳を介して繰り返した。一般来場者も合わせて1日平均で2000人に対応し、休憩も取れないほどだった。

旅行会社の仕入れ担当者は穴場情報に興味津々で、「こういう庶民的なお店に行きたいですね」との声が挙がる。主催する団体旅行のコースに穴場情報を取り入れれば「あそこのツアーはディープな場所に連れて行ってくれる」と口コミで評判が伝わり、旅行会社の集客につながるからだ。

関空から大阪の中心部に移動できる高速列車は南海の「ラピート」のほかにJR西日本が運行している。南海は日本に来る前に乗客を獲得するため、10年から旅行客の出発地で乗車券の販売を始めた。矢野さんは12年からインバウンド事業部の前身のツーリズム事業部に所属し、中国や台湾、韓国などの旅行会社の開拓を担った。

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