変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

大阪ガスは家庭用燃料電池「エネファーム」の販売に力を入れている。小型になってマンションに置きやすくなり、大手不動産会社に契約を働きかけやすくなった。前田香穂さん(25)は入社2年目で数百戸の大型物件での採用を取り付けた。大学でデザインや建築を学び、営業の相手は就職を検討していた業種。話がかみ合って顧客と波長が合ったところに女性の視点を加えた。

「この物件にエネファームを置けば子育てという切り口が追加でき、魅力が増します」。昨年夏、前田さんは不動産大手での発表の場で提案した。この不動産会社が関西で開発する数百戸規模のマンションへの納入案件だ。

「配管はどう通せばいいのか」「施工の手順は」。設置を前提にしたかのような質問が盛んに出たことで、前田さんははっきりとした手応えを感じた。「近くの競合物件で子育てに着目したものはありません。違いが出せます」と畳みかけた。

この時点では採用決定ではない。その後も不動産会社のオフィスを訪ね「あの件、どうなりましたか?」と問いかけ、ことあるたびに提案を思い出してもらった。「配管はここを通せばいいと思います」「景観はまったく問題ありません」。入社2年目にもかかわらず要望や疑問にテキパキと応えた。今年3月に無事、採用内諾に至った。

◇     ◇

エネファームは家庭で電気が起こせ、省エネルギーにつながる。マンションが完成した暁には入居者が集まって子供の環境教育をする予定だ。子育てとエネファームを組み合わせた提案で引き付けた。昨年5月からこの案件への営業活動を始めるなかで開発予定地の周辺で子供が増えていることに着目した。

エネファームは都市ガスから電気とお湯を作る装置。2016年春に大ガスが発売した新型は小さいため、集合住宅の各戸に置きやすい。前田さんが所属する法人開発営業部(大阪市)の約20人が手分けして担当する。前田さんは分譲マンションの担当だ。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック