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ベネチア映画祭 冒険心に富む作品群、日本勢も活躍

日本大学芸術学部教授 古賀太

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NIKKEI STYLE

ギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』が金獅子賞に輝き、9日閉幕した第74回ベネチア国際映画祭。冒険心に富む老舗映画祭を日本大学芸術学部の古賀太教授が報告する。

今年で6年目のディレクターのアルベルト・バルベラは、例年になく大胆なセレクションを見せた。それは美術作家のアイ・ウェイウェイの『ヒューマン・フロー』とフレデリック・ワイズマンの『ニューヨーク公共図書館』という社会派ドキュメンタリーをコンペに出したことでわかる。

根源的問題扱う

前者は放浪する難民を23カ国で撮影し、後者は地域のコミュニティセンターとなった新しい図書館像を見せた。ともに現在から未来を照射する。バルベラが「未来を見せる映画を選んだ」と述べた通り、21本のコンペは人種、宗教、戦争、家族など現代社会の根源的問題を扱う映画が目立った。

また世界初のバーチャル・リアリティー部門のコンペを作り、台湾の蔡明亮の新作などが話題になった。

コンペは審査員長のアネット・ベニングを含め審査員に女優が4人いたが、社会性と娯楽性のバランスよく選んだ。金獅子賞のギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』は、1962年に米国政府機関で働く若い女性を主人公にした奇想天外なSF。米ソ冷戦を背景に恋愛やフィルムノワールの要素も加えた。娯楽路線では、脚本賞のマーティン・マクドナー監督『三つのビルボード』が、アメリカの田舎で娘をレイプされて殺された母親(フランシス・マクドーマン)の戦いをユーモアたっぷりに見せた。

銀獅子の審査員大賞はイスラエルのサミュエル・マオス監督『フォックストロット』で、軍隊にいる息子が死んだという知らせを受けた両親を描く。現代の戦争の不条理が見えてくる。

同じく銀獅子の監督賞はフランスのグザビエ・ルグラン監督の第1回長編『親権』へ。両親が離婚した後の親権をめぐって親と息子が繰り広げるドラマで、世界中で起きている話をリアルに微視的に見せた。

「羅生門」と比較

今年は日本映画の活躍が目立った。是枝裕和監督の『三度目の殺人』は邦画で3年ぶりのコンぺ出品。地元のコリエーレデラセーラ紙が「クロサワの教訓を現代に蘇えらせた」と評価するなど、ベネチアで51年に金獅子賞を得た黒澤明『羅生門』と比較された。

オリゾンティ部門にはフランス人のダミアン・マニヴェルと五十嵐耕平の共同監督『泳ぎすぎた夜』。弘前のある少年の一日を追った映画だが、セリフもなく、固定ショットで描かれた雪の国の日常が、シンプルで典雅な輝きを見せた。

コンペ外の『Ryuichi Sakamoto:CODA』は坂本龍一を日系アメリカ人のスティーブン・ノムラ・シブルが追ったドキュメンタリー。クラシック部門では小津安二郎『お茶漬の味』と溝口健二の『近松物語』『山椒大夫』のデジタル復元版が上映された。クロージングではコンペ外の北野武監督の『アウトレイジ 最終章』が喝采を浴びた。

外国映画だがオリゾンティ部門の『カニバ』は、パリ人肉事件の佐川一政氏へのインタビューで、共同監督のヴェレーナ・パラヴェルとルシアン・キャステイン=テイラーが審査員賞を得た。コンペ外のジョン・ウー監督の『マンハント』は、大阪を舞台に福山雅治が主演し、日本語、英語、中国語が交じる異色作。

ベネチアは巨匠をそろえるカンヌと違って、新しい冒険を続けている。今年はそれに日本映画が堂々と応じた年となった。

[日本経済新聞夕刊2017年9月12日付]

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