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「聞く本」図書館身近に 障害などで読みづらい人向け

自宅でデータ入手できるケースも

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病気や障害が理由で一般の書籍が読みづらいという人を対象に、図書館の蔵書を使いやすくする取り組みが広がっている。朗読による書籍の音声データを自宅で入手できるようにしたり、図書館に足を運ぶのが難しい人に本を郵送で届けたりする。サービスの特徴と利用法を探った。

「毎日楽しい読書生活を満喫しています」――東京都の調布市立図書館に、愛知県新城市の男性から8月17日付の消印の残暑見舞いが届いた。

「遠方からの礼状が時々届く」と小池信彦館長。「当図書館が製作した、インターネット上の『サピエ図書館』にある音声録音本を聞いた読者では」と推測する。

サピエ図書館は社会福祉法人日本点字図書館(東京・新宿)がシステムを管理し、NPO法人全国視覚障害者情報提供施設協会(大阪市)が運営する電子図書館。点字データ約18万7000タイトルや、障害者向けのデジタル録音図書の国際標準規格「デイジー」に基づいて作った音声データ約7万2500タイトルなどを所蔵。毎年約2万タイトル増えている。

例えば「司馬遼太郎」のデイジーデータをサピエで検索すると「坂の上の雲」など84件を表示。音声、テキストといった資料の種類や再生時間などを確認し、タイトルを選んで「ダウン」ボタンをクリックすると、データのダウンロードが始まる。有料や無料の再生ソフトを使って「聞く読書」が楽しめる。

利用者は視覚障害による身体障害者手帳を持つ人に加え、高齢で目が不自由な人や発達障害などで内容理解に困難を抱える人、寝たきりの人へと広がる。ただし、対象はあくまでも通常の図書館利用が難しいと判断された人だ。

利用するには、サピエに加盟する各地の図書館や施設で、一般の利用登録と併せて視覚障害者ら向けのサービスを受けるための手続きが必要。サピエのウェブサイトで、加盟図書館を確認できる。

サピエの蔵書は2010年の改正著作権法の施行を契機に増えている。公共図書館と大学や学校の図書館は、活字による読書が難しい人に対し、著作権者の許諾なしで拡大文字資料やデイジーデータの作成と、CDへの複製が可能になった。

各地の公共図書館はボランティアが朗読して作ったデータの情報を、サピエ図書館や国立国会図書館に提供する。調布市立図書館は2246タイトル(3月末時点)のデイジー図書を、国立国会図書館を通じて提供。毎年ボランティアが100前後の「新刊」を作る。「ガラスの仮面」などマンガもある。

16年度のダウンロードは約6万回。一番人気は「無間人形」(大沢在昌著)だった。日本図書館協会の佐藤聖一・障害者サービス委員会委員長は「1冊の資料を財産として、日本全国の人が利用できるようになった」と話す。

近くの図書館がサピエに加盟していない場合は、日本点字図書館に相談しよう。「パソコンが使える場合、海外や福島などから利用登録を受け付けた例もある」(利用サービス部の勢木一功部長)

データのダウンロードが困難な人に、CDに複製して郵送や宅配で自宅に届ける加盟図書館もある。千葉県浦安市の図書館は16年度、本やCD303件を届けた。手数料は原則不要。

他には文字を画面に大きく映す拡大読書器、画面を読み上げるパソコンを備える図書館もある。最寄りの図書館になくても、同じ都道府県の自治体間で本を融通する相互貸借制度で利用できる。図書館の蔵書がより多くの人にとって身近になりそうだ。

 ◇   ◇   ◇

学習や研究用も増加 医学や物理の専門書など

読書を楽しむための本に加えて、近年は学習や研究で必要な録音図書の提供も増えている。学習障害を持ち、文章の読みに困難を抱える子どもたちの助けになっているのは、音声にテキストや画像が同期できる「マルチメディアデイジー」の教科書だ。

日本障害者リハビリテーション協会(東京・新宿)は16年、小中学校で使う教科書の半数以上をマルチメディアデイジー教科書として作成。テキストに画像を加えたり、読み終えた部分にハイライトをつけたりできるため、読書の困難を減らすことができる。既に4700人が利用した。

医学や物理学など専門分野のコンテンツを増やすため、国立国会図書館は大学が作成したテキストデータの収集を始めた。公共図書館では通常の録音図書はボランティアが作るが、専門書の音声図書の要望があった場合は、国立国会図書館が製作を検討する。ただ新規作成には時間がかかり、現状は1年待ちだという。活字でなくても読める本の範囲は、今後さらに広がりそうだ。

(畑中麻里)

[日本経済新聞夕刊2017年9月7日付]

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