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こんまり流×使ったモノに毎日感謝 靴底までお手入れ

NIKKEIプラス1

2017/9/2付 NIKKEIプラス1

こんどう・まりえ 東京都出身。東京女子大学在学中の19歳の時に片づけコンサルティング業を開始。2010年に「人生がときめく片づけの魔法」(サンマーク出版)を出版。40カ国以上で翻訳され、シリーズ累計700万部超の大ヒットに。15年、米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出。現在は米国を中心に活動中。

 片づけコンサルタント、近藤麻理恵さん。米国に渡った今も、欠かせない「マイルール」がある。

 「靴の裏を拭くんです。続けていると、靴に対してどんどん愛情が湧いてきます。一足を大事に履くようになって、例えばヒールが傷んできたら、直してまた履こうと思うようになります」

 「靴って買うときは宝石のように並べられているのに、使い始めたら汚れモノ扱い。でも表面だけではなく、裏もきれいにして乾燥させてから靴箱に入れると、靴が生き返ったかのようになるんです。靴箱だけでなく、玄関全体の空気感もクリアな感じに変わっていきます」

 日本にいたときは、玄関の三和土(たたき)も拭いていた。高校生の頃に始めた長年の習慣だ。きっかけは風水だったが、続けるうちに自分自身が気持ちよくなってきた。

 「雑巾で拭くこともあるし、使い捨てのおしぼりのこともあります。まめに拭くと汚れがたまらないのでそんなに負担にはなりません。それより効果がすごい。とにかく気持ちよくなります」

 「玄関ってすごく大事なんです。おうちの入り口がいい感じかどうかで、その家全体の空気の回り方が違う気がします。米国の家には三和土がないので、今は玄関として使っている場所をささっと拭いています」

 モノを手にとって「ときめく」かどうかで残すか手放すか判断する。そんな「こんまりメソッド」を提唱する。7年前に出した著書が世界中で大ヒットし、米国を拠点に世界で活躍中だ。国内外で講演やセミナー、片づけレッスンを手掛けている。

 「いろいろなお宅で片づけの仕事をしていると、人がいかにたくさんのモノに囲まれているかが分かります。ひとつひとつのモノと向き合いながら片づけをしていく中で、本当に自分にとって大切なモノを見つけていく過程を見ていると、私たちってモノに支えられて生きているんだな、モノに助けられているんだなと感じます」

 片づけ指南をするときに、欠かせないのが感謝の心。モノを捨てる前には必ず「ありがとうございました」と声をかける。服やカバンなど1日使ったモノに対しても「お疲れさま」「ありがとう」と声をかけてからしまう。中でも特別なのが財布だ。

 「財布はVIP待遇です。毎日帰宅するとハンカチにくるんで、祖母からもらったお守りを入れて休ませてあげます。お布団みたいな感覚ですね。財布を丁寧に扱い、お礼を言うことで、お金を使う意識が変わってきます。使わせてもらっていることへの感謝の気持ちが高まります。ただ米国はカード社会なので、米国に拠点を移してからはあまり財布を使わないのがちょっと残念です」

 米国で暮らす今も、モノへの感謝を忘れない。そんな思いを形にしたのが「神棚」だ。

 「米国の家にマイ神棚を作りました。最近の神棚ってスタイリッシュなんですよ。シンプルで。神棚といってもそんなに大げさなことではなく、ふだん自分が支えられているものに対してありがとう、と気軽に言える場所がほしいと思ったんです。昔、巫女(みこ)として働いていたことがあるのも影響したのかもしれませんね。毎朝、感謝の気持ちを込めて祈っています」

 「私にとっては神棚でしたが、気持ちを表すのは別に神棚じゃなくてもいいと思います。自分が好きだな、と思うモノをちょっと高い場所に飾るだけでいい。洋服でもいいし、好きな俳優さんの写真でもいいですね。それを見たら自然にいいな、と思えてきて、いま生きていることに感謝できるようなもの。1日1回でも意識的にそう思えるようになれば、生活に潤いが出てきます」

 ひとつひとつのモノと向き合い、感謝しながら片づけを進めていく。「こんまりメソッド」では手に取って、ときめくかどうかが残すかどうかの判断基準となる。

 「自分は何にときめき、何にときめかないのか。その問いかけを繰り返していくと、自分にとって大切なものが見えてきます。自分のことが好きになり、生活を楽しむ余裕が生まれてくる。片づけは単に部屋がきれいになるだけではありません。そこには人生を変える力があると信じています」

[NIKKEIプラス1 2017年9月2日付]

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