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音響遺産、昭和を聴き継ぐ 公立施設が収集・公開探る

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NIKKEI STYLE

文人が愛したオーディオ、時代の息吹を伝えるレコード。昭和の音楽資料を貴重な文化遺産ととらえ、収集・保管を進めながら公開の方法を探る公立施設が増えている。

「音響遺産」。そう称される品々が、東京の練馬区立石神井公園ふるさと文化館分室にある。剣豪小説で知られる作家、五味康祐(1921~80年)が愛用したオーディオの名器とクラシックのLPレコード約900枚だ。音楽を愛した五味は美しい音を追求し、機器とレコードの収集に生涯没頭した。求道ぶりを音楽評論に書き、昭和の音響ブームをけん引して「オーディオの神様」と呼ばれた。

愛好家ら集まる

8月上旬、「神様」の遺産は生き生きと動いていた。愛聴したベートーベンのピアノソナタ「悲愴」のレコードがプレーヤーにかけられ、「貴婦人」と呼んで親しんだ英国製タンノイの大型スピーカーが音を響かせる。週に2日行われるメンテナンスのための「音出し」だったが、音に魅了された人々が次々とスピーカーの前に集まり、みずみずしい音楽に聴きほれた。

五味の遺族の死後、練馬区に譲渡された遺産を同分室が受け継いだ。2014年に開設以来、専用の展示室を設けるだけでなく、聴く機会を増やす努力をしてきた。音出し以外にも、レコードコンサートを夏季を除いて毎月開催。定員20人の募集に2~3倍の応募が殺到し、北海道から九州・沖縄まで日本中の愛好家が詰めかけるという。

山城千恵子分室長は「今は会えない数十年も前の演奏家の名演を、磨き上げたオーディオで聴いてほしい。五味先生からのすごい贈り物だから、見せるだけでなく音に触れられる『生きている音響遺産』として活用したい」と語る。

自治体がオーディオや周辺機器を文化的な財産ととらえ、保管と公開に取り組むのは異例だ。美術品や工芸品なら芸術とみなされるが、オーディオは、持ち主がいかに心血を注いで収集・調整したものでも「工業製品」とみなされ軽んじられがちだった。

だが山城分室長は「オーディオは昭和の生活文化を見る上で重要な資料になる」とみる。「どのように価値づけて活用するかは定まっていないので、私たちが経験を蓄積して1つのモデルになれればいい」

東京の文京区立小石川図書館は、音楽遺産活用の先輩格だ。区の方針で1960年代からレコードの収集を開始、2万枚に上る。公立図書館では他にない規模だ。山田万知代館長は「CD化されていない貴重な音源も多く、価値のあるコレクション。広く公開するやり方を探っていきたい」と語る。

これまで貸し出しと、館内での試聴という2通りの方法で運用してきたが、今年1月から新たな試みを始めた。毎週水曜の昼、スタッフが選んだ音盤をレコード室でかける「図書館のレコードの時間」だ。批判も覚悟したが、おおむね好評で、8月から日曜にも実施することにした。

「息吹感じて」

「まったりレコード」と題したレコードコンサートも昨夏から館内のホールで開いている。スタッフのほか、東京・下北沢の中古レコード店の店主らが厳選した名盤をかけて曲の解説を加える。今年も26日に3回目を開催する予定だ。

レコードの最盛期は日本人が総中流の夢を持てた昭和中~後期の60~80年代。「レコードの音には豊かだった昭和の時代の息吹も込められている。それも感じてもらいたい」と山田館長は話す。

北海道でも97年に開館した新冠町立レ・コード館が地道な活動を続ける。レコードの散逸を憂えて、全国に寄贈を呼びかけていたが、今年5月に目標の100万枚に到達。館内で来館者がお目当ての1枚を探しやすいようにと、現在は全てのレコードの曲名や作曲者名をデータベース化する作業に力を注ぐ。

曽我和久施設管理係長は「20世紀の音楽文化を記録した歴史遺産を多くの人に届け、後世に引き継いでいきたい」と意気込む。

(文化部 諸岡良宣)

[日本経済新聞夕刊2017年8月21日付]

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