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カルビーの久保雅哉さん(29)はスナック菓子を担当する。重要な手段が売り場の棚づくり。他社の商品も含めて顧客の売り上げを増やす棚にすることで結果的に自社の商品が売れ、顧客の支持も得られる。最年少で個人の社内表彰を受けた実績を持つ。

「どこからどう手を付けていいのか」。4月、久保さんは途方に暮れていた。2016年8月の台風の影響で北海道産のジャガイモが近年まれにみる不作となり、カルビーは主力のポテトチップスを計33品目も販売できなくなった。

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本社(東京・千代田)に勤める久保さんは広域量販部に所属し、全国展開する大手総合スーパーを担当する。店頭のスナック菓子売り場の商品構成を決めるのが主な仕事の一つだ。

自社のポテトチップスは出荷額ベースでスナック菓子の6割を占める。自社の商品だけではとても空いた棚を埋められない。そんな時、顧客のバイヤーが手を差し伸べてくれた。忙しい合間を縫ってほぼ毎日、久保さんとの打ち合わせに時間を割き、他社の商品の確保に奔走してくれた。「責められなかった。乗り越えられたのは周りの人たちの助けのおかげ」

相手のためにできることを考えることから始める。知識や情報は包み隠さず相手に伝え、助言も受け入れて同じ目線で売り場作りにいそしむ。「正直に話し過ぎるので、たまに弱点だとも思います」と苦笑する。

営業一筋の入社8年目。神奈川県で約10店のスーパーの担当することから始まった。3年の勤務の後、近畿へ異動し、大阪を地盤とする大手スーパーの150店を担当した。

近畿のカルビーのシェアは全国平均より高く、ポテトチップスでは7割を超えるが、担当した店では6割ほど。「最良の売り場を提案できているのか」。疑問を感じた。

分析すると店は競合メーカーとのつながりが強く、「堅あげポテト」や「ピザポテト」などの人気商品が棚に入っていなかった。販売促進の活動内容にも変化がない。久保さんは全メーカーの商品を使って一から売り場を作り直した。

消費者は店に刺激や選ぶ楽しさを求めるが、担当する店舗の棚の見栄えが固定化していた。そこで全店の売り場に2段分の「新商品コーナー」を設けた。「変化」を重視した。

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