こんまり流「すっきりバッグ」 中身は毎日取り出そう
片づけコンサルタント、近藤麻理恵さんの「こんまりメソッド」。今回はビジネスバッグの整理方法を紹介する。まずは帰宅後、中身を全部出すところから始めよう。
財布や定期入れ、書類や手帳。ビジネスで使うものは一緒だからと毎日、同じバッグに入れっぱなしにしがち。でも知らないうちに不要なモノがたまっていることがよくある。日本ときめき片づけ協会の安藤貢代表は、「毎日帰宅したらバッグの中身を全部出して、あらかじめ決めた場所に戻すようにしよう」と助言する。
「ビジネスバッグの役割は必要なモノを持ち運ぶこと」(安藤さん)。バッグを置き場所にせず、本当に必要があるモノだけを持ち歩こう。バッグ自体を休ませることで形崩れを防ぐこともできる。ビジネスに集中できる「すっきりバッグ」を目指そう。
バッグの中身を出す定位置は、引き出しなどが分かりやすい。スペースがなければ箱やトレーなどを利用しても良い。靴箱やお菓子の箱など自分が気に入ったデザインのものを選ぶと、片づけるときの気持ちも盛り上がる。
定位置に決まりはないが、「帰宅してスムーズに置くことができる場所にすると習慣にしやすい」と安藤さんは話す。帰宅時にいつもバッグを置く場所などが候補になる。
箱に立てて入れ ゴチャつき防ぐ
バッグの中身を入れておく箱の中は、何が入っているか常に分かる状態にしておくと良い。手帳やポーチ、文房具などは、立てておくと分かりやすい。鍵や腕時計などの小物は別にトレーなどに入れておくと、ゴチャつきを防ぐことができる。
中身をすべて出せば、バッグの中に残っていた不要なモノにも気付くはず。くしゃくしゃになったレシート、使い終わったティッシュやガムの包み紙。クリップなどもバッグの底にたまりがちだ。「一度取り出したゴミをもう一度入れ直す人はいない」(安藤さん)。一度取り出す癖がつけば、バッグをいつもきれいに保てる。
翌朝、カラになっているバッグにモノを詰め直せば、バッグも気持ちもすっきり。身軽な状態で仕事に臨める。
モノを取り出した際に、それぞれの点検もやっておこう。まずは名刺。もらったその日のうちに整理するのがおすすめだ。安藤さんは「整理に日をおくメリットは1つもない」と力説する。放っておくと名刺の持ち主がどんな人か、忘れてしまいがち。「たまってしまうと使い道がなくなり、捨てる以外の選択肢がなくなる」。名刺を残すのであれば、それをどう生かすかを考えよう。
データ化するのも良いが、その場で必要な情報を選択すると良い。連絡を取るべき相手であれば、すぐに行動を起こすことができる。自分の名刺の在庫も一緒にチェックしよう。いざというときに名刺が足りない不手際も避けられる。
書類や筆記具も たまりがち
バッグの中に入れっぱなしになるのはゴミだけではない。書類も古いものがいつまでも残りがちだ。持ち歩く必要があるか、その日のうちに判断しよう。取引先やプロジェクトごとにクリアファイルを分けておけば、取り出すときもスムーズだ。
文房具にも注意したい。「ビジネス用途で使うのはたいてい黒のボールペンなど数本程度」と安藤さんは指摘する。不必要な本数や種類を持ち歩いていないか、インクが切れていないかなど確認しよう。厳選したボールペンや万年筆なら、1本で満足することも多い。
バッグから出して毎日点検すると、持ち歩くモノがビジネスに適した状態か、見極めることにもつながる。「意外に毎日身につけるものをじっくり見る機会は少ない」(安藤さん)。バッグや名刺入れなどをあえて手に取って意識して見ることで、傷や汚れなどの見栄えを改めてチェックできる。ビジネスの相手によい印象を与えられる状態か。場合によっては、買い替えや補修を検討しよう。
[NIKKEIプラス1 2017年8月5日付]
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