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「10年に1人の逸材」。スーツ店「P.S.FA」(パーフェクトスーツファクトリー)などを展開するはるやま商事で、幹部にこう言わしめる販売員が入社3年目の百合草亮太さん(24)だ。1年目から全店の売り上げで首位を独走。販売員平均の3.5倍を稼ぐ。2年目には全社のトップになった。客の要望に応えられなくてもお構いなし。「1万円の予算の客に3万円のスーツを3着売る」勢いと確信が強さの源泉だ。

6月中旬の平日。東京・池袋のP.S.FA本店を昼に訪れると、靴売り場で百合草さんが男性の会社員(27)を相手にしていた。「ビジネス用ならダントツでこれがお薦め。足も長く見えますよ」。靴を奥から取り出すときも走る。テキパキとした接客だ。

靴が決まるとベルト売り場に移動。「色は靴と合わせるのが基本です」。30分足らずで計2万円弱を売り上げた。男性客は「よどみなく応えてもらった。丁寧で好印象だった」と話した。

◇  ◇  ◇

はるやま商事は主力のスーツ店「はるやま」のほかに若者向けのP.S.FAを運営している。2015年に入社した百合草さんはP.S.FAの全国104店、パートタイマーを含めて900人を超える販売員のエースだ。

接客の極意はまずスピード。求める機能や用途を聞き出し、最初から1~2着に絞り込む。あれこれと新商品を薦めても結局は迷わせてしまうからだ。明言しない場合も一瞬見せた表情を見逃さず「こんな感じでしょ」と鏡の前で服を合わせる。「多くの客はプロの断言を待っている」が持論。天気の話などの挨拶は極力省き、30~40分ほどの接客で購買につなげる。辻村和也店長(33)は「必要なことだけを迅速かつ丁寧に聞き出す能力は抜群」と評する。

2つ目は客の問いに「ノー」だけで終わらないことだ。「洗えるスーツ」を求められれば「取り扱っていませんが、非常に軽くて伸びるスーツなら豊富です」と切り返す。無い袖は振れないが、代替案にうまく誘導する。

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