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顧客の要望をつかんで土地を探し、各種施設の建設プランを立てて工程を管理する。大和ハウス工業の建築事業部第3営業部の主任を務める竹田雅史さん(33)は1件で数十億円の大型受注を連発する。できないことすらも即答するスピーディーな応対で相手の信頼を得る。顧客の時間を奪わないことが基本中の基本だ。

多摩川を挟んだ羽田空港の対岸。川崎市が開発するライフサイエンス研究拠点「キングスカイフロント」で、近くの工場が供給した水素を電源にする世界初の「水素ホテル」の建設が進む。2018年春の開業予定で、東急ホテルズの「東急REIホテル」が入る。設計・施工は大和ハウス。竹田さんがシナリオを描いた。

涙した新人時代

最寄り駅から徒歩15分。ビジネスホテルの立地は駅前が鉄則なだけに市が望む宿泊施設の誘致は難航した。竹田さんは20社ほどを回り、東急ホテルズに絞った。同社は羽田空港の横で「エクセルホテル東急」を運営する。車なら空港から10分。近くで系列のホテルを展開する利点を説く準備に入った。顧客層を含めて地域の特性を分析。品川駅の近くにホテルを持つ競合の鉄道系企業にも戦略を聞いた。「羽田空港から見たら一等地のはず」。1年近い交渉が実った。

建築事業部は物流センターの開発が主力。東京本店(東京・千代田)に勤める入社9年目の竹田さんは倉庫の建設請負から社歴を始め、1年目に延べ床面積が約3300平方メートルの千葉県柏市の物件を担当した。受注額は2億5千万円と新人で異例の大型物件だ。上司だった浦川竜哉取締役常務執行役員(56)がお膳立てした。「くじけない。しぶとさがある」と見込んだ。

主な仕事は施工管理。午前8時には浦川さんに進捗を報告した。「24歳で泣いた」ほど苦しんだが、翌年、同じ顧客から福岡市の3万3千平方メートルの倉庫の建設も任された。20億円の受注だった。

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