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往時の列車しのんで 安心して訪ねられる廃線路10選

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地域の生活を支えた鉄道の廃線が各地にある。その歴史を感じながら、線路の上で遊んだり歩いたり。跡地を整備し、安心して訪ねられる廃線路をランキングした。

廃線路は鉄道ファンの間では1つのジャンルとして確立されている。紀行作家の宮脇俊三さん編著の「鉄道廃線跡を歩く」(JTB)や、地図研究家の今尾恵介さん監修の「日本鉄道旅行地図帳」(新潮社)など、マニアでなくても楽しめる専門書も多い。

線路や鉄橋などの遺構を巡って歴史に思いをはせたり、遊歩道や自転車道として整備された線路跡で疑似乗車体験を味わったり。廃線の楽しみ方はいろいろだ。今回は鉄道の名残のある路線を対象にした。

1位の国鉄手宮線は10人の選者すべてが選んだ。小樽の街中を走る線路跡を映画「スタンド・バイ・ミー」のように歩けることが、観光客を魅了している。2位の高千穂鉄道は台風による被害で廃線となり、今は観光用のカートで東洋一高い鉄橋を走れる。僅差で3位となった同和鉱業片上鉄道も、営業運転しなくなった線路上を保存車両が走る。懐かしい風景がよみがえると人気だ。

日本の鉄道は「1960~70年代のモータリゼーションで一気に減った」(今尾さん)。4位のような都市部の廃線路もあるが、多くは過疎地にある。廃線跡を観光資源にしようと模索する動きも広がってきた。町や人の移ろいを感じることができるのも魅力のひとつだ。

1位 国鉄手宮線 690ポイント
運河に平行、ほぼ全線残る(北海道小樽市)

小樽市中心部を走っていた線路約1.6キロメートルが、遊歩道として整備された。運河と平行してほぼ全線残る。終着の旧手宮駅にある小樽市総合博物館には「蒸気機関車や日本銀行の現金輸送車などが展示され、線路沿いには歴史的な建物が残る」(梯久美子さん)。線路跡で写真展やガラス市も開催し「運河と並ぶ観光資源として整備に力を入れている」(小樽市)。

明治時代、北海道最初の鉄道として開通した。9位と同じ幌内鉄道の一部で、石炭などを輸送。「小樽のレトロな街並みに彩りを添えている」(矢野直美さん)。「馬そり用の踏切が残るなど北海道らしさ満載」(雨宮健一さん)。

(1)1985年(2)南小樽駅~手宮駅(3)JR小樽駅から徒歩(4)0134・32・4111(小樽市公園緑地課)


2位 高千穂鉄道 490ポイント
高さ東洋一の鉄橋体感(宮崎県高千穂町)

2005年の台風で甚大な被害を受けて全線が運休。運行再開を断念したが、観光用のカート列車としてよみがえった。「東洋一の高さを誇る高千穂鉄橋まで往復の道中はスリル満点」(雨宮さん)だ。

高千穂は神々が宿る神話の里として有名な観光地。「高千穂鉄橋から風を受けながら見下ろす絶景は一度訪れる価値がある」(中嶋茂夫さん)

3月からはエンジンで走る30人乗りのグランドスーパーカートの運行が始まった。「鉄道遺産を残したいという地元の熱意が感じられる」(梯さん)という評価の声も。「残った車両が徳島の阿佐海岸鉄道で今なお活躍している」(坪内政美さん)といい、廃線後も様々な形で愛されている。

(1)2008年(2)延岡駅~高千穂駅(3)JR延岡駅からバスで約90分(4)0982・72・3216(高千穂あまてらす鉄道)

3位 同和鉱業片上鉄道 480ポイント
昭和の映画のような風景(岡山県美咲町)

同和鉱業は現在のDOWAホールディングス。鉱石を片上港まで運ぶ鉄道として開設され、旅客運行もしていた。平成に入り廃線になったが、片上鉄道保存会が結成されて今も修復・整備を続けている。

「まるで昭和の映画に出てくるような美しく懐かしいロケーションのなか、現役当時の車両が走る。地元とボランティアに大切に守られた幸せな廃線路」(矢野さん)。廃線路は30キロメートル以上が「片鉄ロマン街道という遊歩道兼自転車道に整備され、雄大な風景が堪能できる」(杉崎行恭さん)。旧吉ケ原(きちがはら)駅構内では第1日曜日に車両に乗って走れる。「民間による車両の動態保存の草分け的存在」(瀬端浩之さん)といわれる。

(1)1991年(2)片上駅~柵原(やなはら)駅(3)JR津山駅からバスで約30分(4)0868・66・1118(岡山県美咲町産業建設観光課)

4位 横浜臨港線 370ポイント
流通への鉄道の貢献実感(横浜市)

都市部にある廃線路の代表格。「旧横浜港駅や赤レンガ倉庫に残るホーム跡などを見ながら横浜の休日を楽しめる」(田中比呂之さん)。港への輸送の主力が鉄道だった時代の痕跡で、「日本の流通に貨物鉄道が大きく関わっていたことを実感できる」(瀬端さん)。古い貨物鉄道の高架橋を整備した「山下臨港線プロムナードも楽しく、デートにもおすすめ」(杉山淳一さん)。

(1)1986~87年(2)高島駅~山下埠頭駅(3)みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩(4)045・671・2888(横浜市賑わい振興課)

5位 JR信越本線(碓氷線) 360ポイント
国内最大のれんが造りアーチ橋(群馬県安中市)

群馬と長野の県境、碓氷峠にある廃線跡を遊歩道に整備した。「トンネルがそのまま残り、快適なハイキングコース『アプトの道』として整備されている」(今尾恵介さん)。通称「めがね橋」として親しまれている「碓氷第三橋梁」は国内最大のれんが造りのアーチ橋で国の重要文化財。「国鉄時代の最急勾配を体感でき」(田中さん)、「よく鉄道を通したなあと感動できる歴史的な難所」(杉山さん)。

(1)1997年(2)横川駅~軽井沢駅(3)JR横川駅(4)027・382・1111(安中市観光課)

6位 神岡鉄道神岡線 310ポイント
線路上をサイクリング(岐阜県飛騨市)

神岡鉱山の鉱物輸送を担ってきた神岡線の廃線路。2台の自転車を使った「ガッタンゴー」で線路上をサイクリングできる。「橋やトンネルを含む2.9キロメートルを往復でき、風を感じて気持ちいい」(中嶋さん)。「レールの継ぎ目の音と振動が味わえる」(雨宮さん)のも魅力。飛騨市神岡町は廃線路で地域おこしを目指す「日本ロストライン協議会」の中心メンバーでもある。

(1)2006年(2)猪谷駅~奥飛騨温泉口駅(3)JR高山駅からバスで約90分(4)090・7020・5852(レールマウンテンバイク専用窓口)

7位 国鉄宮原(みやのはる)線 290ポイント
山岳路線ならではの展望(大分県九重町・熊本県小国町)

九州最初の廃線路。宮原(みやのはる)は終点の肥後小国駅周辺の地名だ。「日中戦争後、全国で造られたコンクリート橋が今も残り、遊歩道として整備されている」(今尾さん)。美しいアーチ橋は登録有形文化財で、「山紫水明の山岳路線らしい展望ポイントも多く飽きることがない」(杉崎さん)。「鉄骨の代わりに竹を使ったといわれる『竹筋橋(幸野川橋梁)』は一見の価値あり」(梯さん)。

(1)1984年(2)恵良駅~肥後小国駅(3)JR阿蘇駅からバスで約50分(4)0967・46・2113(小国町情報課)

8位 小坂精錬小坂鉄道 280ポイント
ブルートレイン列車ホテル(秋田県大館市・小坂町)

鉱石輸送用の貨物線だが、1994年まで旅客も運んでいた。旧小坂駅にある小坂鉄道レールパークには、上野発の最後の夜行列車、ブルートレイン「あけぼの」が列車ホテルとして営業。「寝台車に『泊まれる廃線路』は全国でも珍しく貴重」(瀬端さん)。「大館側ではレールバイク、小坂側は鉄道史跡や宿泊が楽しめる」(杉山さん)。

(1)2009年(2)大館駅~小坂駅(3)JR十和田南駅からバスで約20分(小坂側)(4)0186・25・8890(小坂鉄道レールパーク)、0186・50・2555(大館・小坂鉄道レールバイク)

9位 JR幌内線 260ポイント
鉄道村ではSL体験運転(北海道三笠市)

周辺の炭鉱と港を結ぶ貨物線で、旅客営業もしていた。旧幌内駅を利用した三笠鉄道村には今も動く蒸気機関車がある。鉄道公園やトロッコ列車など「これほど廃線跡を活用している例はない」(坪内さん)。鉄道村は「SLの体験運転ができる貴重な存在」(中嶋さん)。「記念館の資料や保存車両から日本の近代を支えた炭鉱の意味がわかる」(瀬端さん)。この季節、廃線路には花が咲き乱れ美しい。

(1)1987年(2)三笠駅~幌内駅(3)JR岩見沢駅からバスで約50分(4)01267・3・1123(三笠鉄道村)

10位 下津井電鉄線 280ポイント
遊歩道整備、瀬戸大橋望む(岡山県倉敷市)

四国へ渡る港町の下津井を起点としていた私鉄。「遊歩道『風の道』として整備され、鷲羽山や瀬戸大橋の眺望が素晴らしい」(杉山さん)。旧下津井駅には車両が保存され、「岡山市内の山陽新幹線高架下に保存されている車両群も見どころ」(坪内さん)。「瀬戸大橋をくぐる廃線ルートをたどりながら、線路幅が一般的な線路より大幅に狭い鉄道に思いをはせたい」(田中さん)。

(1)1991年(2)児島駅~下津井駅(3)JR児島駅から徒歩(4)086・473・1115(倉敷市児島支所産業課)

◇  ◇  ◇

ランキングの見方 数字は選者の評価を点数化。廃線時の路線名、主な見どころの所在地。(1)廃線年(2)廃線区間(3)交通手段(4)問い合わせ先。写真は1位矢後衛、2位吉川秀樹、3位岡山県美咲町、4位横浜市、5位群馬県安中市、6位神岡・まちづくりネットワーク、7位熊本県小国町、8位小坂鉄道レールパーク、9位三笠鉄道村、10位岡山県倉敷市。

調査の方法 整備された全国の鉄道廃線路を専門家の協力で28選出。廃線路上を歩いたりレールバイクで走ったりできる、家族で安心して楽しめる路線を10人の選者がそれぞれ1~10位まで選定。編集部で集計した。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。

雨宮健一(KNT-CTホールディングス国内旅行部)▽今尾恵介(地図研究家)▽梯久美子(ノンフィクション作家)▽杉崎行恭(交通ライター)▽杉山淳一(鉄道ライター)▽瀬端浩之(日本旅行「鉄道プロジェクト」マネージャー)▽田中比呂之(鉄道編集者)▽坪内政美(鉄道カメラマン、ロケコーディネーター)▽中嶋茂夫(鉄道ジャーナリスト)▽矢野直美(文筆・写真家)

[NIKKEIプラス1 2017年7月1日付]

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