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遺伝子検査サービス続々 選び方のコツと利用の注意点

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NIKKEI STYLE

唾液を採取し、病気にかかるリスクを調べる遺伝子検査サービスが広がっている。数万円の費用で生活習慣病やがんなど複数の病気を一度に分析してもらえる手軽さが人気の理由だ。ただ、素人が分析結果を理解するのは難しく、専門医の助言が欠かせない。サービスの提供企業ごとに検査結果が異なる問題があるほか、技術の進歩につれて分析結果の解釈が変わる可能性もある。利用する際の注意点をまとめてみた。

「精巣がん、2.45倍」「白血病、2.3倍」「肝臓がん、1.68倍」。1月に遺伝子検査を利用した42歳男性のもとに届いた検査結果には、こうした数字が並んでいた。

「起業した会社のビジネスが軌道に乗り始め、子供も生まれた。守るべき人が増えたので自分が将来抱えるリスクを調べてみようと思った」と、男性は検査を受けた理由を話す。

ただ、発症リスクの数字の受け止め方には注意が必要だ。例えば、1万人に1人の割合で発症する希少な疾病で考えると、発症リスクが2倍と書かれているなら、かかりやすさが1万人のうち2人の割合になることを示す。この程度なら過度に悲観しなくてもよい。

遺伝子検査には、1つの遺伝子の異常により発症する「単一遺伝子疾患」を調べるものと、「SNP(スニップ、一塩基多型)」と呼ばれる個人が持つわずかな遺伝情報の違いを調べるものがある。

前者は脳の一部が萎縮して運動機能が低下する「ハンチントン病」、網膜に発生する悪性腫瘍の「網膜芽細胞腫」など個別に疾病を特定する検査だ。医療行為として認められ、医療保険の適用が受けられるものもある。

最近の例では、2013年に女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが乳がんにかかるリスクが高いことを知り、乳房の切除手術を受けた。1つの遺伝子変異からリスクを想定し、手術に踏み切ったとみられる。

一方、消費者向けに提供されている遺伝子検査サービスでは、スニップに基づく検査が多い。検査結果には平均的な発症リスクと、同じスニップを持つ人のグループを比較する。平均と比較するだけなので、単一遺伝子を調べる場合と異なり、確定的な結果を示すものではない。

そもそも「がんのリスクが何倍」と言われても、知識のない素人ではどう受け止めていいのかわからない。「太りやすさなどの体質を見ているようなものだ」と、臨床遺伝専門医の霞が関ビル診療所・熊川孝三氏は解説する。

熊川氏のような臨床遺伝専門医は、日本人類遺伝学会が認定する遺伝医学の専門家だ。遺伝医学の知識が豊富なうえ、定期的にロールプレー実習を受講し患者との向き合い方を磨く医師もいる。講習を設けたのは、遺伝子検査の結果が患者のその後の人生に大きな影響を与えてしまうからだ。

スニップを比較する消費者向け遺伝子検査では確定的な結果まではわからないが、生活習慣を見直す材料にはなりそうだ。専門医の遺伝カウンセリングを受けられるかどうかも含めてサービスを選んだ方が良い。

検査の多くは唾液を採取するだけで手軽に受けられるが、「血液を採取する場合と同じぐらい重要な個人情報を提供していることを意識してほしい」と熊川氏は力説する。検体の定期的な廃棄処分や分析結果を匿名で保存しているかなど、企業の個人情報の保護体制を調べることは重要だ。

また、検査結果が流出しないよう安易にパソコンのデスクトップなどに個人データを保存しないようにしよう。

業界団体では検査の品質底上げに動いている。「協会の認証マークの有無を確認してほしい」。遺伝子検査サービスの業界団体、個人遺伝情報取扱協議会(CPIGI)の別所直哉理事長は訴える。認証マークは個人情報保護や消費者から問い合わせがあった際に専門家を紹介できる体制があるかなどを基準に、第三者機関が審査する。10社が認証を取得している。

同じ人物の遺伝子を分析して企業ごとに結果が異なる点については、「遺伝子検査に限らず、先端分野の研究結果は年を経るごとに変わっていく」と別所氏は説明する。各社は最新の研究成果を基に日々サービスの改善に取り組んでいるという。結果を妄信するのは危険で、まだ発展途上のサービスと考えた方が良さそうだ。

◇  ◇  ◇

医師の7割「効果ない」 法規制不備 疑問の声も

医師向け会員サイト運営のメドピアが2016年に行ったアンケート調査で、消費者向けの遺伝子検査について医師の7割以上が効果がないと答えた。「エビデンス(科学的証拠)のレベルが低い」や「専門医の指導がないと混乱をきたす」との声が多かった。

「消費者向けの遺伝子検査サービスの規制や基準が緩いのは問題だ」と警鐘を鳴らすのは日本人類遺伝学会の高田史男理事。消費者向けの遺伝子検査サービスは、医薬品や医療機器のような厳しい規制がない。

業界団体が自主基準を制定しているが、認証を取らずに独自にサービスを提供する企業は少なくない。高田氏は「(認証マークがある企業でも)分析手法などの情報を公開している企業がほとんどない」と課題を指摘する。

病気の発症リスクにはストレスや飲酒、喫煙、運動量など様々な要因が複雑に絡まり合う。スニップを見ただけで、「将来、発症するかどうか分かるわけではない」(高田氏)とする。

(川上宗馬)

[日本経済新聞夕刊2017年6月22日付]

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