人気広がる苔の名所10選 梅雨こそ、魅力しっとり

NIKKEIプラス1

6位 平泉寺白山神社 320ポイント
司馬文学にも 悠久の庭(福井県勝山市)

白山の登拝口にあり、「北陸の苔寺」の別名も。司馬遼太郎も苔のすばらしさを「街道をゆく」で書き記した。「うっそうと茂る木々、歴史を感じる石畳の参道は苔に覆われ、悠久の苔環境を保っている」(道盛さん)。「ここまで美しいヒノキゴケの庭は類をみない」(大石さん)との評価も。アクセスはよくないが「それだけに静寂の中でじっくりと落ち着いて楽しめる」(藤井さん)。

(1)えちぜん鉄道勝山駅からバスで約15分(2)50円(旧玄成院庭園)(3)0779・88・8117(勝山市観光政策課)

7位 チャツボミゴケ公園 260ポイント
東アジア最大級の群生(群馬県中之条町)

廃坑になった鉄鉱石の露天掘り跡に弱酸性の環境を好むチャツボミゴケが自生。「東アジア最大級の群生が圧巻。バスツアーがあり、老若男女で楽しめる」(左古さん)。「深い緑と半球状に盛り上がった群生が美しい」(上野さん)。

(1)JR長野原草津口駅からタクシー(2)500円(3)0279・95・5111(チャツボミゴケ公園)

8位 三千院 250ポイント
お地蔵さんもかわいい古刹(京都市)

京都市北部、大原の里にある古刹。苔庭にはそっと首をかしげるお地蔵さんが6体あり、「苔に埋もれる姿がとてもかわいらしい。境内を覆うウマスギゴケ、ヒノキゴケなどのなめらかな苔地も必見」(大石さん)。秋は紅葉が美しい。

(1)JR京都駅からバスで約60分(2)700円(3)075・744・2531(三千院)

9位 東福寺 220ポイント
モダンアートな幾何学模様(京都市)

国指定名勝の本坊庭園は造園家の重森三玲の手による庭で、苔と敷石が描く幾何学的な市松模様が美しい。「古寺でありながら、まるでモダンアートを見ているような、新鮮な刺激を受ける」(藤井さん)。

(1)JR奈良線・京阪本線東福寺駅から徒歩10分(2)400円(本坊庭園)(3)075・561・0087(東福寺)

10位 大台ケ原 210ポイント
変化に富んだ原生林(奈良県上北山村など)

山全体が特別天然記念物に指定され、東大台地区に苔探勝路がある。原生林は「屋久島に相当する雨量があり、変化に富んだ苔の生育を見られる」(道盛さん)。「森林生態系の中での苔の役割が観察しやすい」(上野さん)。

(1)近鉄大和上市駅からバスで約120分(3)07468・3・0312(大台ケ原ビジターセンター)

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ランキングの見方 数字は選者の評価を点数に換算した総得点。名称、所在地。(1)交通手段(2)大人1人の料金(3)問い合わせ先電話番号。写真は1、3位矢後衛、2位吉川秀樹、4位(C)GYRO PHOTOGRAPHY/SEBUN PHOTO/amanaimages、5位苔の里、6位勝山市、7位中之条町観光協会、8位三千院、9位東福寺、10位photo by Amegraphy / PHOTOHITO

調査の方法 日本蘚苔(せんたい)類学会が選定する「日本の貴重なコケの森」や、苔で有名な庭園を持つ寺社・施設を対象に22カ所をリストアップ。専門家にベスト10を選んでもらい、点数を付けて集計した。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。

青木之(クラブツーリズム広報担当)▽上野健(「苔をみる旅」案内人)▽上山美穂(苔ファン)▽大石善隆(福井県立大学講師)▽大橋弘(写真家)▽左古文男(「コケを見に行こう!」著者)▽武藤重信(庭園管理士)▽西村直樹(岡山理科大学教授)▽樋口正信(国立科学博物館植物研究部長)▽藤井久子(「コケ図鑑」著者)▽道盛正樹(大阪自然史センター副理事長)

[NIKKEIプラス1 2017年6月17日付]

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