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ゾンビ研究 世界で増殖 映画や漫画に新作が続々

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「ゾンビ」の学術研究が盛んになっている。近年、映画から美少女漫画、ゲームなどさまざまな作品の題材になっているゾンビ。この現象は現代社会の何を映しているのだろうか。

「ゾンビは異質な他者のメタファーで、世の中の対立や不安を映している。21世紀に入って、社会の変容を背景に全く新しい作品が生まれてきた」。3月に「新世紀ゾンビ論」(筑摩書房)を刊行した文芸評論家の藤田直哉氏はこう語る。

例えば2013年公開の米映画「ワールド・ウォーZ」。異様にスピードの速いゾンビが津波のように押し寄せる場面があるが、これはグローバル化や社会的ネットワークの瓦解で流動化した時代の不安を表していると藤田氏は見る。

日本は「美少女」

日本では、10年ごろから「美少女ゾンビ」が描かれている。漫画の「がっこうぐらし!」〈海法紀光(ニトロプラス)・原作、千葉サドル・作画、芳文社〉には、ゾンビに対抗して学校に立てこもる女子高生が登場。ライトノベルでは、天然ボケの美少女ゾンビと大学生が対決する「あるゾンビ少女の災難」(池端亮著、角川スニーカー文庫)などもある。

「ゾンビをかわいいもの、親しみのあるものとする発想は斬新。国境に壁を造ろうとするトランプ政権に象徴されるように、世界では他者への恐怖が高まっているが、日本の美少女ものに見られる『ゾンビと共存する』というアイデアには、こうした問題を打破しようという希望が感じられる」と藤田氏はいう。

諸説あるが、最近の研究ではゾンビはハイチの民間信仰が発祥とされる。初めての映画化は、1930年代のヴィクター・ハルペリン監督「恐怖城」。70年代にジョージ・A・ロメロ監督の映画「ゾンビ」が大ヒットした。

90年代にはゲーム「バイオハザード」シリーズがブームに。21世紀に入ると米国のテレビドラマ「ウォーキング・デッド」や、花沢健吾の漫画「アイアムアヒーロー」(小学館)などが生まれた。昨冬は作家の羽田圭介も「コンテクスト・オブ・ザ・デッド」(講談社)を発表。今後も7月に英国映画「ディストピア」、9月には韓国映画「新感染」が日本公開される。

80年あまりでゾンビの性質や定義は変化した。動くスピードは劇的に速まり、宗教上の理由ではなく感染症などで変化した人間を「ゾンビ」的な存在として扱うようになった。

学術研究も活発化。米国では学会があるのはもちろん、大学の授業でも取り上げられるという。日本の代表的な研究書は奈良県立大学の岡本健准教授の「ゾンビ学」(人文書院)。ほかにも今年は「ゾンビ最強完全ガイド」(ロジャー・ラックハースト著、エクスナレッジ)や、「ゾンビ論」(伊東美和ほか著、洋泉社)などが出版された。

岡本氏の論で興味深いのは、諫山創の漫画「進撃の巨人」(講談社)をゾンビものの一つと捉えたことだ。同作は巨人から身を守るため壁を築く人間を描くが、主人公は、自分に「巨人化の力」があると知る。

崩壊描く題材に

「主人公は巨人と人間の境界線上にいる。一つのイデオロギーを振りかざし、相いれない者は排斥するという態度を超克する世界を描いているのではないか」と岡本氏は分析する。

サブカルチャーから学術まで。とどまることを知らないゾンビの"増殖"について、評論家の速水健朗氏は「さまざまなモンスターの中でゾンビだけが30年代から根強い人気がある。それだけ強度があり、汎用性が高い表象だ。今、文明の崩壊を描くのに最も適した題材なのだろう」と語る。

(文化部 佐々木宇蘭)

[日本経済新聞夕刊2017年6月13日付]

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