スーツ売り上げ、平均の4倍 数字・カタカナ使わないユナイテッドアローズ 秋山光億さん

「太ももや腹回りはどれぐらいの余裕が必要かな?」と問われたら、単純に「何センチメートル」ではなく、生地を指でつまんだり腹回りに手を入れたりして「これくらいですかね」とジェスチャーを交えて示す。客は実際に着た時の感覚をつかめる。

そこで得意のコーディネートを提案する。来店した理由や欲しい商品も丁寧に掘り下げて聞き、暮らしぶりを想像しながら体形や着用シーンを考える。好みとは別の服を薦めることもあるが、「親身に考えてくれている」と評価され、数十人の固定客がいる。

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何気ない会話から仲良くなることもある。スポーツや芸能、政治経済の情報収集にも余念がない。店長の坪松政和さん(32)も「小さな努力を怠らない」と秋山さんを評する。

衣料品の販売員では異色の経歴だ。明治大学の法学部を卒業し、一時は弁護士を目指して猛勉強をした。ただファッションや経営にも関心が強く、カジュアル衣料品店やコンビニエンスストアで修業した。コンビニでは1年半で売り上げを2倍にした実績もある。「接客を突き詰めたい」と、08年秋にユナイテッドアローズに転職した。

最初は苦しんだ。配属された東京・上野の店でスーツの販売を任されたが、うまく立ち回れなかった。

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