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面白い場所作る 小説もお笑いも 第2作「劇場」刊行の又吉直樹

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NIKKEI STYLE

2015年に「火花」で、お笑い芸人として初めて芥川賞を受賞した又吉直樹が小説第2作「劇場」(新潮社)を刊行した。「小説でもお笑いでも面白い場所を作る」ことを原点に掲げる。

芥川賞受賞第一作の長編「劇場」は演劇界を舞台とする恋愛小説だ。

「演劇はもともと好きな表現ジャンル。東京に出てきて、夢を抱いている人を思い浮かべたとき、書きたいと思ったのが劇作家だった。僕は結婚もしていないし、恋愛に関してよく分かっていない。でも、いろいろな人に話を聞くと、人間と人間が出会って関係を深めていくやり方はバラバラ。だから面白いと思った」

もがく主人公

お笑い界を舞台にした「火花」に続き、才能が厳しく問われる世界でもがき苦しむ人物を主人公とした。自身「芸人になろう」と1999年、18歳で東京に出てきて以来、そんな人間を数多く見てきた。

自身はといえば「もともと二面性があり、『いける』と思う一方で『無理』とも感じていた。今は負けると思う方が楽に感じて負けから入っている」。一方で「劇場」の主人公は「負けを認めず、勝っているとウソもつかず、一番しんどいやり方を選んでいる。僕は嫌いではないです」。

2003年にお笑いコンビ「ピース」を結成。漫才やコントを作ってきた経験が小説の書き方にも生きている。「お笑いでも、むちゃくちゃヘンな人にまっとうな人がつっこむより、ヘンな人に、一見まともそうだが実はヘンな人が関わっていく方が面白い」

文学との出合いは中学時代。太宰治「人間失格」の主人公が自分に重なり、読書に夢中になった。芸人の下積み期には近所の古本屋をはしごした。本好きが買われ、01年ごろからは所属する吉本興業の広報誌にコラムを寄稿、本格的に文章を書くようになった。

好んで読むのは芥川龍之介、夏目漱石、古井由吉といった純文学系の作家たちだ。「劇場」も、自意識過剰な主人公の性格や細かい情景描写に伝統的な「純文学」の匂いが漂う。

タレントとして人気を集め、作家として才能を認められた今も、自分を見つめる視線は冷静だ。

「そもそも(芸人として)世に出るとか、芥川賞をとるとかは、目標として掲げてこなかった」と話す。その上で「小説でもお笑いでも面白い場所を作ることが第一意義」とする。その「面白さ」には、人を立ち止まらせて考えさせたり、感情を揺さぶったり、といった要素が含まれる。

反響の大きかった「火花」の後はさすがに執筆に苦労したという。「当初は様々な指摘を生かして原稿を直したが、ふと気づいた。みんなの要望に応えようとしているが、自分はみんなに好かれるような人間ではない。吹っ切れて、最初の原稿を生かそうと決めた」

可能性は信じる

面白い場所を作るには、まず自分が面白がること。そう改めて気づいた瞬間だったのだろう。「今も自分の能力に自信はないが、可能性は信じています」

「劇場」に関して「書き上げてみて手応えは感じていますが、本人がそうアピールするのはどうか」。芸人らしからぬ一歩引いた芸風は一貫している。

「ピース」の相方、綾部祐二はニューヨークに拠点を移した。「綾部はいつ戻るか分からないが、ピースが解散するということではない。ただ、2人で出ていたテレビ番組は卒業したので、新たな気持ちで取り組みたい」と話す。

小説に関しては「今後も書いていくが、どういうものになるかは分からない」と述べ、純文学にとらわれない姿勢を示した。芸人としても作家としても新境地を迎えている。

あらすじ 売れない劇団で作・演出を務める「僕」が、女優を目指し上京してきた大学生の「沙希」と半ば強引に知り合い、彼女の部屋で暮らし始める。理想と現実のギャップに苦しみ、周囲とあつれきを起こす「僕」を、優しく受け入れていた「沙希」だったが、2人の関係は次第に変調をきたしていく。

(編集委員 中野稔)

[日本経済新聞夕刊2017年5月16日付]

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