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灼熱のアスファルト冷やせ ランナーの足元に先端の技 路面下に雨水ためる世紀東急、NIPPOは臭い少なく

2017/5/11付

遮熱性舗装工事が進む道路(東京都千代田区)

2020年夏の東京五輪・パラリンピックの注目競技の一つがマラソンだ。早朝のスタートとはいえ、選手たちは路面上でセ氏50度を超える灼熱(しゃくねつ)の暑さとの戦いを余儀なくされる可能性がある。選手たちの負担を少しでも減らすため、道路舗装大手2社が道路の温度上昇を防ぐ工法に工夫を凝らしている。

東京都世田谷区の南烏山にある商店街。ごく普通の商店街に見えるが、道路にある工夫が凝らされている。「雨水を使って道路の温度を下げる機能を持たせた」。道路を舗装した世紀東急工業の板東芳博・技術本部技術リーダーは説明する。どういうことか。

■雨水ためて「打ち水」効果

雨が降ると、路面の隙間から地中に雨水が染み込む。通常の道路であれば、雨水はさらに地下に向かって地下水となる。だが、世紀東急工業は路面の下の層に保水材を設置し、雨水を蓄えられるようにした。

晴れて暑くなると、保水材の中にある水が蒸発して上昇する。水蒸気は路面を通り抜けて空に向かって上がっていく。このときに水蒸気が周りの熱を奪い、路面の温度上昇を抑制する。打ち水をしたときと同じ効果を再現するのだ。「保水遮熱性舗装」と呼ばれるこの技術。世紀東急工業が独自に確立した。

真夏の道路の表面温度は、気温をはるかに上回ることが多い。太陽光の熱を路面のアスファルトが蓄えるためだ。路上にいる人は、足元をヒーターで熱せられたのと似たような状態になる。

路面の温度を抑制するための工事では、遮熱材を表面に塗布するのが一般的だ。遮熱材は樹脂の一種で、熱をすぐに反射させるため、路面のアスファルトが熱を蓄えにくくなる。南烏山の道路舗装でも施されている。世紀東急工業はさらに保水材と組み合わせることで温度抑制効果を高めた。

遮熱材だけでも真夏の路面の温度をセ氏10度程度低くできる。世紀東急工業によれば、保水遮熱性舗装にすれば、13~22度低くできるという。1平方メートルあたりの施工費は1万円程度。遮熱材を塗布するだけの工事の2倍程度に跳ね上がるが「繁華街の歩道など人通りの多い場所には適している」(板東氏)。

20年の東京五輪の開催期間は7月24日から8月9日。マラソンは女子が8月2日、男子が8月9日に実施される予定。コースは都心の主要な場所を巡るように設定されている。早朝7時半のスタートになるといわれているが、暑さで持てる力を十分に発揮できなくなる選手が相次ぐことが懸念されている。

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