眼鏡っ子に朗報? 就寝中にコンタクトすれば近視改善

NIKKEIプラス1

2017/4/29付

矯正用のレンズは、厚生労働省が2009年に高度管理医療機器として承認した。レンズ代と眼科の定期受診を含めて、初年度の費用は10万~20万円程度だ。装用をやめると角膜は元の状態に戻る。

現在は日本コンタクトレンズ学会がガイドラインで、適用年齢を20歳以上と定めているが、オルソケラトロジーは子どもの近視の進行抑制にも有効との説もある。臨床試験に関わった筑波大学付属病院眼科の平岡孝浩講師は「角膜が軟らかい子どもの方が、効果を得やすい」と指摘する。

日本以外のアジア諸国では、オルソケラトロジーの9割以上は子どもが対象だ。学会は現在、ガイドラインの改訂を検討している。

子どもの近視の進行を食い止める他の治療として、低濃度のアトロピン点眼薬や多焦点眼鏡、ソフトコンタクトレンズなどがある。いずれも現時点では保険適用がなく、自費診療となる。

子ども時代に始まった近視の多くは、30歳前後で進行が止まる。大半は適切な矯正で日常生活を支障なく送れるが、中には「病的近視」という深刻なケースがある。眼球の奥が変形するのが特徴だ。

視神経や黄斑部、網膜など重要な器官に影響を及ぼし、中年以降に近視以外の症状を引き起こす。遺伝要因が大きいといわれ、失明にもつながりかねない。病的近視の人は眼球がもろくなりやすい。目を押したりこすったり、外から力を加えないようにしたい。

日本近視学会の大野京子理事長(東京医科歯科大学教授)は「病的近視になるのは、必ずしも強度の近視の人とは限らない。リスクが高い人は早めに治療につなげて、合併症を防ぎたい」と語る。近視が進むなど気になる人は、定期的に自分で見え方を確認したり、眼科医で検査を受けたりするよう心がけたい。

(ライター 塚崎 朝子)

[NIKKEIプラス1 2017年4月29日付]

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