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「じゃこ天」聖地、愛媛・南予 熱々フカフカやみつき

2017/4/18付 日本経済新聞 夕刊

JR松山駅にある安岡蒲鉾のかけはし松山店の揚げたてじゃこ天

 じゃこ天は灰色やきつね色で「さつま揚げ」などと同じ油で揚げた魚肉練り製品だ。製造業者は宇和島市、八幡浜市といった「南予」と呼ばれる愛媛県の西南部に多い。海に面した地域の特産品として近年、県内外で人気が高まっている。

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 愛媛の県都、松山市の玄関口、JR松山駅に降り立つと改札口を出てすぐ左横の店が目に入る。「じゃこ天」の4文字が目立つ看板を掲げるのは練り製品を製造販売する安岡蒲鉾(愛媛県宇和島市)の「かけはし松山店」だ。

 一番売れ筋のじゃこ天は頼めば目の前で魚のすり身を揚げて、作りたても出す。JR四国のグループ会社が運営する隣のうどんそば店では、安岡蒲鉾のじゃこ天を入れたうどんが一番人気のメニューだ。

 じゃこ天は魚の頭や内臓を取り除いて骨や皮ごとすり身にして油で揚げる。カマボコのような通常の練り製品と異なり、魚の風味が残る。どろりとしたすり身を形を整えて揚げるが、一般に扁平(へんぺい)型が多い。安岡蒲鉾の場合、大きさは手のひらより少し小さく、厚みは1センチメートルといった程度だ。

JR松山駅のうどんそば店では「じゃこ天うどん」が人気

 人気の食べ方は、店先で作りたてを口にすることだ。揚げたてのじゃこ天はフカフカで、噛(か)むと肉汁が出て、加工食品とは思えないあじわいがある。

 一方で「買って帰ったじゃこ天は、あぶって食べるのがお勧め」。松山市にある伊予鉄道・松山市駅前で練り製品を販売する木村蒲鉾店の木邨一店長(53)は「オーブンやフライパンを使うと油が落ちてパリッとする」と、あぶり方のコツを教えてくれる。あぶったじゃこ天は歯応えがあって味が濃く、香ばしさも増す。

 製造業者によって食感も異なる。骨や皮もすり潰しているので、食感は「ジャリジャリ」とか「キシキシ」と例えられることが多いが、細かくすりつぶし、混ざり物がある感じをなくしたものもある。

 食感の違いについて、宇和島市の練り製品の製造業者で組織する宇和島蒲鉾協同組合の薬師神啓一代表理事(66、薬師神かまぼこ代表)は「材料にする魚の種類や大きさ、すり身の練り方、成形の仕方が影響する」と説明する。

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