誠実だけど彼氏の外見が好みじゃない
脚本家、大石静
私はずっと前から「30歳までに結婚する!」と決めていました。今28歳。付き合って半年になる、6歳年上の彼氏がいます。誠実な人で、私をとても大切にしてくれています。彼から結婚してほしいとよく言われます。でも性格は合うけど、外見がタイプじゃない。もっとイケメンがいいなと思ってしまいます。(山形県・女性・20代)
男は顔です。
「顔じゃないよ心だよ」という世の中の常識は偽善です。
ですから、顔が気に入らなければ結婚はなさらない方がよいと、私は思います。
これもよく言われることですが、性格は隠せるけれど、顔は隠せません。
仕事仲間は顔を必要以上に近づけることはありませんが、恋人は息がかかるほど間近に相手の顔を見ます。いわゆる恋人の距離ですね。顔が間近にあることをうれしいと思わない人と、肉体関係を持てますか? 持ったとしても、目の前の顔が嫌いでは、しあわせの実感は薄いでしょう。
肉体的な相性がよかったとしても、顔が好みでないと、そのセックスは将来への夢や希望を生み出しません。
さらに、恋愛と違って結婚は社会的なものですから、必ず夫婦は"対"で見られます。好みでない風貌の人と、常に対で見られることに耐えられますか?
「お似合いね」などと言われて、いちいち「顔じゃないの心なの」と、胸の中でいい訳するのはむなしくないですか?
結婚して一つ屋根の下で暮らせば、男はいずれ必ず身勝手な一面を見せます。だらしない姿も見せます。ずうずうしくなります。思いやりを忘れます。精神的浮き沈みも妻に垂れ流します。
顔が好きな人だったとしても、「どうしてこんな人と一緒になったのかしら?」と思う瞬間は、必ずあるはずです。
しかしもし、好きではない顔の男と一緒になれば、その時の絶望は何十倍にもなって、あなたを襲うでしょう。
好きな顔であれば、「とんでもない奴だ!」と思っても、回復のチャンスがあります。次の瞬間、彼がふっとほほ笑めば、ま、いいかと思えるかもしれないからです。
ぜいたくな生活を与えてくれそうな金持ち男でも、社会的地位を与えてくれそうなステイタス男でも、顔がタイプでないなら、結婚はやめた方がいいと、私は思います。「何か違う」という小さな想いが積み重なって、いつか必ず爆発しますよ。
まずは顔、それから他の条件です。
[NIKKEIプラス1 2017年3月4日付]
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