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マスク、美容ツールに オシャレ使いは大正時代も

高級品、ステータスの象徴

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NIKKEI STYLE

小顔に見えたり、顔を包んで温めたり、嫌なにおいを遠ざけたり。便利な機能を持ったマスクが話題だ。でも歴史をたどると、もっと多彩な時代があった。

マスクは日本でいつ登場したのか。メーカーで構成する日本衛生材料工業連合会(東京・港)のサイトには「日本でのマスクの歴史は、大正年代に始まります」とある。専務理事の高橋紳哉さんを訪ねると「実はもっと古い時代からあったことが分かりました」。当時の資料を持つコレクターがいるという。

北多摩薬剤師会会長で薬剤師の平井有さんがその人だ。江戸時代から昭和までの薬にまつわるグッズを集めている。「明治時代から一般の人もマスクを使っていましたよ」と話しながら実物を取り出した。

段ボール3箱分のコレクションの中から出てきたマスクは、黒い布製だ。商品はきっちりと紙箱に入っていた。触ると、口を覆う部分が硬く、裏返すと口が直接、当たらない空洞になっている。今の立体型マスクのような形だ。空洞部分に金属の糸のような部品がびっしり。汚れた空気を金属糸のフィルターでこして息を吸い込む仕組みだ。

「当時、マスクを呼吸器と呼んでいたんです」と平井さん。1879年(明治12年)に「輸入品に劣らないマスクの生産を始める」と書いたメーカーの広告資料があり、それまでは輸入品に頼っていたことも分かった。

スペイン風邪 普及を後押し

名前がマスクになったのはいつだろう。平井さんは「マスクをかけぬ命知らず」という標語がのった資料を差し出した。1918年から世界的に流行したスペイン風邪のポスターのコピーだ。当時の内務省集計で死者数38万人。今の価格で3000円以上という高級マスクを、繰り返し使ったという。

「大正時代にマスクは発展したんです」と平井さん。「飛行機マスク」に「銀星マスク」「金星マスク」「野球マスク」「東京マスク」「スキーマスク」……。当時の流行や風俗を映す商品名やイラストが外箱に書いてある。

素材は革やごわごわとした硬いメッシュ、ビロードなど様々。色は黒や茶、青などがあった。色が濃いのは繰り返し使うのに、汚れが目立たないようにだろう。「口を覆う部分は硬い金属製から、加工しやすく、さびないセルロイド製に変わっていった」そうだ。その後、ガーゼを挟んで取り換えて使うようになった。口から鼻までぴったり覆い、吐いた息を穴が空いたあごの部分から出すよう誘導する構造のものもある。

この時期、普及型と高級型の二極化も進んだ。包装箱にはパーマの髪に帽子をかぶり、コートの襟を立てたおしゃれな女性が描かれていたり、「最高級紳士用」と書かれていたり。高級マスクはファッションやステータスの象徴だったのだ。

状況を変えたのは戦争だ。物資不足で「愛国マスク」のように透けて見えるぺらぺらのガーゼ製ばかりになった。

いつも清潔に 使い捨て広がる

洗って繰り返し使うガーゼから不織布の使い捨てへと転換したのは80年代以降、花粉症対策で多くの人が使うようになってから。ガーゼだと花粉が目詰まりする。便利な使い捨ての人気が高まった。

2001年、医療向けだった使い捨て不織布製を一般向けに販売したのが玉川衛材(東京・千代田)だ。「7DAYSマスク」の商品名で、蛇腹のように広がるプリーツ型を7枚入りで売り出した。03年にはユニ・チャームが口元に空間がある「超立体マスク」を出してヒット。瞬く間に不織布製が主流になった。

03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)、09年の新型インフルエンザの流行が相次ぎ、マスクを毎日予防のために着ける人が増えた。同時にファッショングッズとして思わぬ機能に注目が集まり始めた。11年以降、メディアに登場したものまねメークのざわちんさんは、口元を大きなマスクで隠しながら、目や鼻筋のメーク次第で、顔の印象ががらっと変わることを証明した。以降、すっぴん隠しや紫外線対策を含めて日々活用する「マスク女子」が急増した。

16年は目の錯覚を利用した「小顔にみえマスク」が登場。息の水蒸気を吸収して発熱する素材を使った「フィッティホットマシュマロマスク」、アンモニア臭や加齢臭の元のノネナール、靴下のにおいのイソ吉草酸などの悪臭をブロックする「悪臭退散マスク」、夏でも紫外線遮蔽率約90%をうたう「ビースタイル UVカットマスク」など高機能商品が相次いだ。マスクの成熟期、大正時代に続く、大きな発展期を迎えている。

記者のつぶやき

期限切れの薬も 将来価値高く?


 20年前からマスクや薬のコレクションを始めた平井さんの元には、企業がイベントなどで昔の製品を展示したいとして、よく訪ねてくるという。薬は期限が切れたら捨てるしかない。通常なら何年も前のモノが残っているのは奇跡に近い。将来、資料としての価値が高くなるかもしれないと思うと、簡単に捨てられないと考え直した。
(畑中麻里)

[NIKKEIプラス1 2017年2月4日付]

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