エンタメ!

ブック、おススメの1冊

ヒトと文明 尾本恵市著 DNAでふりかえる人類史

2017/2/2付 日本経済新聞 夕刊

(ちくま新書・900円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

このごろは、人類の発達史もDNAの調査をとおして、えがかれる。たとえば、日本列島でくらす人々の系統を考える時でも、事情はかわらない。DNAでの鑑定は、必須の条件になってきた。著者は、人類学がその方向へ舵(かじ)をきった時代に、船頭役をつとめた先駆者である。

DNAでの探究は、人類史をふりかえる研究に、どのような新しい知見をもたらしたのか。著者は、自分の研究歴をのべつつ、それら新しい発見を、いろいろ紹介してくれる。衣服の起源がコロモジラミのDNAから判明した、等々と。

狩猟採集民は、土地を所有しなかった。私有への欲望は農業がふくらませたのだという。文明の原罪とでも言うべきか。深く考えさせられた。

★★★★

(風俗史家 井上章一)

[日本経済新聞夕刊2017年2月2日付]

★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…

ヒトと文明: 狩猟採集民から現代を見る (ちくま新書1227)

著者 : 尾本 恵市
出版 : 筑摩書房
価格 : 972円 (税込み)

エンタメ! 新着記事

ALL CHANNEL