雪よけひさし、日本一16km 上越市「高田雁木通り」「雪国ならではの助け合い精神」

雪よけの雁木は高さがまちまちなのが面白い(新潟県上越市)
雪よけの雁木は高さがまちまちなのが面白い(新潟県上越市)

この冬、雪国らしい町並みを訪ねてみたいという人に、新潟県上越市の「高田雁木(がんぎ)通り」を薦めたい。雁木は立ち並んだ民家の軒先に連なる、雪よけのひさしのことだ。かつて日本海側で多く見られた光景だが、高田の雁木は総延長が16キロメートルで日本一長いという。家によって高さが微妙に違うのもアクセント。独特のおもむきを醸し出している。

雁木の下はアーケードのように誰もが自由に通れるが、実は大半は私有地で公道ではない。隣り合わせに住む人々が冬場の通り道を確保しようと、玄関前のスペースをあけて公道沿いにひさしを掛けた。「江戸時代から続く、雪国ならではの助け合い精神の象徴だ」と地元の観光ボランティアガイド、柳沢勝也さんが教えてくれた。

雁木通りはえちごトキめき鉄道の高田駅前に広がっている。一番の見どころは江戸時代から隆盛を誇った「旧今井染物屋」や日本最古級の映画館「高田世界館」などが集まる駅の北東側だろう。個人宅はもちろん、昔ながらの呉服店や建具店なども軒を連ねる。効率よく回れば、1~2時間で様々なタイプの雁木を見て、歴史や仕組みを知ることができるだろう。

散策の合間には「町家交流館・高田小町」にも立ち寄りたい。明治時代の町家を改修した施設で、無料の休憩・案内所がある。館内のギャラリーでは大雪に見舞われた高田地区の古い写真なども展示している。

駅前の至る所で見受けられる雁木だが、最近は空き地が増え、歯抜け状態になっている場所も少なくない。間口が狭く奥行きがある昔ながらの町家も減ってきた。そんな中、地元で呉服店を営む6代目の小川善司さんは店舗をあえて昔風に改築し、高い吹き抜けや上品な雁木などを復元した。

「コンクリートだらけの町並みに風情を感じますか」と小川さんに問われた。雁木には確かに商店街の屋根にはない味わいがある。

▽所在地=新潟県上越市高田地区
▽交通アクセス=えちごトキめき鉄道の高田駅下車が便利。上信越自動車道の上越高田インターチェンジから車で15分程度
▽上越市文化振興課=電話025・526・6903
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