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研究ニーズ丁寧に把握

電子顕微鏡大手の日本電子は、国内市場が飽和するなか海外市場への攻勢を強めている。特に販売で力を入れるのが、低価格な汎用型の走査電子顕微鏡(SEM)だ。世界各地域での平均シェアは2割ほどだが、アジア・パシフィック戦略本部の中谷隆佳さん(38)が担当する韓国地域は倍の4割。「本当の提案」と「スピード意識」が数字の秘密だ。

「1台の装置を売りに行くのではなく、相手の研究ニーズに合わせて数種類の装置を提案する」。中谷さんは、韓国と台湾で電子顕微鏡をはじめとする理化学・計測機器の販売を担当する。心がけるのは相手の研究ニーズにあった「本当の提案」だ。

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韓国には現地法人がないため普段は東京のオフィスで働くが、現地の代理店と連携するほか、重要な案件であれば現地に出向くことも多いという。「月1回は必ず韓国に出張」し、「商談の状況や相手のニーズをつかむ」という。一方的に自社製品を売り込むのではなく、相手の研究ニーズを聞き出すところから始める。「相手が本当に必要な装置」を把握することが結果的に、1台の装置を売る以上の成果につながるわけだ。

電子顕微鏡は企業や研究機関の研究開発に欠かせない。中谷さんはこれまで特別にシェアが高くなかった韓国で実績を積み上げてきた。特に1台あたり約5000万円以上するSEMを4年間で年平均約20台販売した実績は「飛び抜けている」。

韓国におけるSEMのシェアは中谷さんが来るまで世界平均と同等の2割程度だった。日立ハイテクノロジーズなどライバル社も多く難しい市場だが、現在は倍の4割以上を占めるという。これはトップシェアの日本国内(6割)に次ぐ水準だ。「市場として最大のアメリカと同じ台数が韓国で売れているのは異常」と上司は言う。

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