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多言語で災害・医療対応 QRコード対応アプリ開発

2016/12/13付 日本経済新聞 地域経済

看板のQRコードを読み取ると案内文を翻訳して表示する(東京都豊島区のサンシャイン水族館)

 訪日外国人が災害時や体調が思わしくない時でも安心できるよう外国語で情報提供するサービスを東京都内の中小企業が相次ぎ開発している。QRコードやスマートフォン(スマホ)、タブレット端末用アプリを活用することで適切な情報を得たり発信したりすることができる。2020年東京五輪・パラリンピックを前に外国人により快適な環境づくりを目指す。

 翻訳ベンチャーのPIJIN(東京・中央)は災害時に観光案内板のQRコードを読み取ると、あらかじめ設定した言語で避難情報を表示するシステムを開発した。案内板の説明文などを翻訳して表示する技術を災害時にも活用する。英仏独など欧州の主要言語のほか、中国語、韓国語など計36言語に対応する。

 観光地で地震が発生した場合、近くの案内板のQRコードを読み取ると、その地域の震度や今後の余震などの情報が表示される。QRコードに対応する表示内容はインターネット上で随時編集できるため、災害時などはリアルタイムで情報発信できる。

 同社は国の研究機関と連携して17年度からQRコードによる多言語での避難誘導の実証実験を始める。避難先の情報のほか、机の下に潜るなど対処法の発信も目指す。聴覚障害者の利用を念頭に観光地での音声案内を翻訳して文字表示するヤマハのアプリ「おもてなしガイド」も活用。防災無線から流れる避難情報も多言語で表示する。

 システム開発のクリエイティブワークス(東京・墨田)はAR(拡張現実)を活用した避難アプリを17年度に実用化する。アンドロイドのスマホをかざすと、実際の風景の画面に最寄り避難所・場所の方向を示す矢印と距離を表示する。都内3000カ所を超える避難所・場所の情報を蓄えており、地震や津波で風景が変わっても避難できるようにする。また、自治体や大使館の災害対応などの情報を日・英・中の3カ国語で定期的に発信し、日ごろから災害に備えてもらう。

 翻訳業務のマイス(東京・新宿)は外国人が医療機関を利用する際に症状や普段の薬、病歴などを英米仏のほかタイ、インドネシア、ベトナムなど13言語で入力できるタブレット端末用アプリを開発した。医師が診察前に外国人患者の情報を日本語で確認し、スムーズに対応できるようにする。17年1月末に医療機関向けに米アップルのiOS対応のアプリを発売。アンドロイド用の開発も進めている。利用価格は年間約4万円を予定している。

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