秋の紅葉、赤色や黄色があるのはなぜ?

2016/12/13

子どもの学び

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秋の紅葉、赤色や黄色があるのはなぜ?

スーちゃん 街路樹の葉が紅葉であざやかに色づいていたよ。モミジの葉は赤色、イチョウの葉は黄色がきれいだ。植物によって、葉の色にもちがいがあるみたいだね。どんなひみつがあるのかな。

赤は葉を守るため、黄は色落ちなんだよ

森羅万象博士より 植物の葉はふつう緑色をしているよ。紅葉で葉の色が変わるのは、寒くなって緑色の色素が減るからだよ。緑色が薄くなり、赤色や黄色の色素が目立つようになるんだ。

緑色の色素はクロロフィルというよ。葉緑素と呼ぶ人もいる。光合成をする葉緑体という粒が、日光を吸収するために使うんだ。日光を吸収して、根から吸い上げた水と空気中の二酸化炭素をもとにして、デンプンなどの栄養と酸素をつくる。秋になって寒くなってくると、葉緑体が分解するよ。光を吸収する緑色の色素だけが残ってしまうと葉を傷つけて危ないから、緑色の色素の方も分解してしまうんだ。

緑色が薄くなるのはわかったけど、どうやって紅葉するのか知りたくなるね。モミジの葉がきれいな赤色に変わる理由を説明しよう。これはアントシアンという赤色の色素が、葉の中で新しくつくられるからなんだ。寒くなってくると、葉の中にアントシアンがたまって、だんだん赤色が濃くなっていくよ。

寒い季節は、光合成の能力が下がって、夏と同じように光を使い切れなくなるよ。そのときに余分な光が当たると、葉を傷めてしまう。この光から葉を守ろうと、アントシアンをつくって光をさえぎろうとしているといわれているよ。人間も強い日差しから目を守るためにサングラスをするよね。

モミジの葉は紅葉の初めは黒っぽい色だけど、終わりにはあざやかな赤色になる。紅葉が始まったころは、緑色の色素が葉にまだ残っているから、緑色が混じって葉の色がにごってしまうんだ。

モミジと同じように、葉が赤色になるビヨウヤナギという植物の葉をとってきたよ。光合成の活動が分かる特殊なカメラで撮ってみた。紅葉が進んで葉が赤色になると、葉が写真に写らなくなったよ。光合成をしなくなったんだね。紅葉で緑色の色素が分解していくと、光合成の働きがだんだんと弱まっていくのがわかるね。

イチョウの葉は赤色ではなく、黄色になるね。赤色になるモミジやビヨウヤナギとは、色が変わる仕組みが少しちがうんだ。イチョウの葉には、カロテノイドという黄色の色素がもともとあるよ。寒くなると、モミジなどと同じように緑色の色素が分解するよ。だんだん緑色が薄くなり、カロテノイドの黄色が目立つようになって、葉が黄色にみえるようになる。

赤色の色素のアントシアンは、植物が新しく芽をつくるときにも働くよ。春にモミジの新芽をみてみると、きれいな赤色になっているよ。アントシアンで余分な日光をさえぎり、傷つきやすい新芽を強い日差しから守るんだ。

真っ赤に色づいた生け垣を春に見るときがあるよ。これはベニカナメモチという植物で、春になると葉が赤くなるんだ。紅葉とは異なる時期に葉の色が変わるけど、その詳しい仕組みはよくわかっていないそうだよ。

■虫呼ぶため色づく植物も

博士からひとこと 植物には秋の紅葉とは違う理由で葉の色を変える種類がほかにもある。クリスマスの時期が近づき、街でみかけるようになったポインセチアが有名だ。茂った葉の上の部分が鮮(あざ)やかな赤色、下の部分が緑色になっているのが多い。赤くみえるのは、葉が変形してできた苞葉(ほうよう)という部分だ。
 ポインセチアは光が当たる時間が短くなると、上の部分が緑色から赤色に変わる。苞葉が集まっている中心に、黄色い小さな花が咲く。赤色で目立つ苞葉は、小さくて目立たない花の代わりに、花粉を運んでもらう虫をおびき寄せる役割があるといわれている。

(取材協力=園池公毅・早稲田大学教授)

[NIKKEIプラス1 2016年12月10日付]

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