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黄門様の食事 水戸の新名物に

漢方取り入れた健康食

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NIKKEI STYLE

水戸といえば黄門様。水戸藩の2代藩主、徳川光圀は数えで73歳という当時としては長寿を全うした。医食同源の思想から食事に漢方を取り入れ、栄養価の高い乳製品や中国料理も食べていたと伝わる。光圀の食卓がどのようなものだったのか。文献を調べて現代人の味覚に合うように復元したのが「黄門料理」だ。

◇     ◇

調理法を研究し1977年に黄門料理を世に問い、その後、自店のメニューにして営業したのが老舗料理店「水戸大塚屋」(水戸市柵町)の大塚子之吉氏。同氏が2008年に亡くなり大塚屋が閉店すると、水戸商工会議所が水戸の郷土料理として広めようと商標や献立を引き継ぎ、10年に復活した。現在、市内の9店が賛同し提供している。

各店が地産地消、旬の食材といった基本理念のもとに腕を競う。ランチタイムに千波湖畔の和食店「とう粋庵」(同市千波町)を訪ねてみた。「黄門様は非常にハイカラな人。今の時代に生きていたらこんなものが好きだったのではないかと想像しながら少しモダンな黄門料理をつくっている」と上田豊人庵主(61)。

出てきたのは大名膳という雰囲気ではなく、器づかいも現代的な懐石料理だ。前菜の一つは白いプリンのように見える白牛酪。牛乳を煮詰めクズで固めたもので光圀の好物だったという。ふんわり柔らかくほのかに甘い。和風だしでいただいたが黒蜜をかければデザートにもなりそう。光圀が食したとされる黒豆納豆もサンショウと梅塩を振りかけて味わった。納豆本来の味がじわりと口に広がる。

カモ肉を使ったギョーザ、福包も黄門料理の定番。普通は皿に載ったものを梅肉をつけて食べるが汁物として出てきた。土瓶蒸しの器に入れたスープ仕立て。水ギョーザのようで和風だしによく合う。メーン料理は冬ということでアンコウ鍋。前菜にもアン肝、煮こごりが添えられた。

ほかにもレンコンの天ぷら、大子町の湯葉など茨城県産の食材を使った料理が並ぶ。

◇     ◇

黄門料理の生みの親、大塚氏はどんな文献を解読したのか。水戸商議所の地域資源振興課、加瀬理氏によると主に「日乗上人日記」や「舜水朱氏談綺」など光圀の食の様子を記載している記録だという。朱舜水は光圀が師として招いた中国明朝の亡命儒学者。黄門料理でおなじみの白牛酪や福包などの料理を伝えた。

大塚氏が残した膨大な献立を再現するため、水戸商議所では黄門料理研究会を立ち上げ、中川学園調理技術専門学校(水戸市)の協力も得て四季の基本的な料理を試作した。「大塚屋のレシピを基本とするが、季節に応じて料理人それぞれの感覚でつくるのが黄門料理。常に進化している」と解説するのは大塚氏の文献集めも手伝ったという西野虎之介元常陽銀行頭取。

最大の魅力は健康食であること。漢方なども取り入れている。ただ、飽食の時代、客は古いものだけでは納得しない。おいしさと満足感が大切だ。研究会に参加する上田庵主も「大塚屋時代の格式を守るべきか、ある程度のアレンジが許されるのか常に議論になる」と話す。

水戸商議所では汁講会と呼ぶ集まりを9店の持ち回りで開催し、各店のPRの場にしている。会場では漢方の専門家による講演会などもあり楽しめる。今年度は7月7日の七夕の節句に老舗料理店「山口楼」(同市大工町)で、9月9日の重陽の節句に水戸京成百貨店内の料理店「ゆばの里 真慈庵」(同市泉町)で開いた。

山口楼では食前酒に光圀が好んでよく飲んでいたという牛乳酒が出された。牛乳に酒と水を入れ、当時貴重な調味料だった砂糖を加えたものだ。さっぱりとした甘さで食欲を誘う。カツオの刺し身は辛子と納豆じょうゆでいただいた。同店5代目若旦那、山口晃平氏(44)は「カツオはしょうゆに辛子というのが昔は一般的。黄門料理で江戸時代の食べ方も提案したい」と語る。

黄門料理づくりに挑戦する9店は水戸商議所のホームページで紹介している。いずれも事前予約が必要。観梅などで水戸を訪れた際は新しく誕生した郷土料理をぜひ楽しんでほしい。

<マメ知識>初めてラーメン食べた人
 徳川光圀は若い頃から自らうどんを打つなど食に関心が深く、記録上、日本で最初に食べたとされる料理はラーメン、ギョーザなどがある。ラーメンは朱舜水から小麦粉とレンコンの粉を混ぜ合わせた麺の作り方を教えてもらい食べていたという。
 水戸市内には当時のラーメンの味を再現した「水戸藩らーめん」を提供する中国料理店も。水戸観光協会は納豆に次ぐ新たな名物にしたいと、県内外のご当地ラーメンを集めた「水戸のラーメンまつり」を昨年から開催し、多くの観光客を集めている。

(水戸支局長 安池直人)

[日本経済新聞夕刊2016年11月29日付]

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