一層おいしく 盛り付け術余白は3割 大盛り禁物

日経プラスワン

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料理を盛り付けるのが苦手です。美しく、おいしそうに盛り付ける技を知りたいです。ワンプレートに上手に盛り付けるにはどうしたらいいのでしょうか。

余白は3割 大盛り禁物

料理をおいしいと感じるかどうかは、視覚の影響を大きく受けるといわれる。味付けがうまくできても、盛り付けが下手だと台無しになりかねない。一人前用のワンプレート料理はルールを知ると簡単にきれいに盛り付けられる。

「多くの人が失敗するのが欲張って盛りすぎてしまうこと」。料理研究家の町田えり子さんは「皿全体の2~3割が余白として残るような分量に抑えて」と助言する。おすすめは縁のない直径30センチ程度の円皿。一見大きすぎるように感じるが、主菜や付け添えの野菜などを置くと意外にすぐ埋まるという。

肉や魚など主菜を置く位置も大切だ。料理や菓子の専門校、レコールバンタン東京校(東京・目黒)講師の船木浩延さんは「主菜は皿を3等分して下から3分の2のゾーンの真ん中に置く。位置がずれていると料理を目にした時のインパクトが薄れる」と指摘する。

主菜の位置が決まれば、その周りに他の料理を載せていく。「複数の料理が並ぶワンプレートに統一感を持たせるには、中心部に隙間を作らないのがコツ」と船木さんは解説する。中心に空白があると目線が分断されてしまい、バラバラな印象になるという。スープ用のカップを利用するなど、皿の中心部に高さを出すと料理が立体的に見えるので、上手に取り入れたい。

彩りは料理の印象を大きく左右するが、「いろいろな色を使うとかえって印象がまとまらなくなる」と船木さん。赤や黄など食欲を増す色は差し色にとどめ、使いすぎないよう注意する。プチトマトなら半分にカット、黄や赤のパプリカは細く切って主張しすぎないようにする。

1人分小分け 取りやすく

クリスマスや忘年会などこれから食事をもてなす機会が増える。パーティーで一般的な家庭料理を出すのはダメだと気負いがちだが、盛り付け方によっては立派な料理に様変わりする。

フリーランスでパーティー料理などを手掛ける料理人の竹花いち子さんは、10人以上の食事会などで大きな皿に盛り付けて振る舞うことが多い。「コロッケでも肉じゃがでも、盛り付け方を変えれば全く違う顔の一皿になる」。例えばポテトコロッケ=写真(1)。ソースを入れた小皿を中心に置き、レタスを敷いたところにコロッケを花びらに見立てて並べ、赤いパプリカを間に挟むだけで一気に華やぐ。

肉じゃがの場合は「正方形の大きな角皿に煮汁を敷き、肉、ジャガイモ、ニンジン、タマネギなど材料ごとに小さな山を作り、食べる側が好きなように取り分けられるようにする」とパーティー風になる。遊び心のある盛り付けでパーティーを演出しよう。

同じ家庭料理でも、食材の切り方を変えれば別の料理のように生まれ変わる。例えば豚の肩ロースと大根の煮込み=写真(2)。大根を1.5センチ幅の輪切りにして煮込んだ。煮汁を下に敷き、大根と豚肉を交互にはさみ、ユズの皮を散らす。「最終的な盛り付けをイメージして食材の下準備をすると失敗が少ない」と竹花さんは話す。

盛り付けはセンスに左右される面もあるが、最も大切なのは「食べやすさに配慮して盛り付けること」と船木さんは指摘する。

例えば前菜のサラダは、どこからでも同じ種類の野菜が取れるよう、きれいに混ぜておく。肉や魚などの主菜を大皿に載せる場合は、食べる人がすぐに1人分と分かるように区切ったり、小山を作ったりする。1人分はひとすくいでとれる量が理想だ。

ソースをかける料理は、皿の上にソースを敷いてその上に主菜を載せて出す。これなら食べる人が自分の好みでソースの量を調整できる。「パスタやチャーハンなどの炭水化物は人によって食べる量が違うので、自由に取れるようにひと盛りで出してしまうのも心遣い」と船木さん。その場合もトングやレードルなど取り分け用の道具をいくつか準備しておこう。

(坂下曜子)

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[日経プラスワン2016年11月19日付]