自転車散策、スマホが伴走 距離や速度記録
ルートの検索も
「スポーツの秋」とはいうものの、慣れない運動を習慣化するのは一苦労。そんな人にお勧めなのがサイクリングだ。ロードバイクなどを新調せずとも、いわゆる「ママチャリ」(軽快車)で街を散策するだけで運動不足解消に役立つ。気分もリフレッシュできて一石二鳥だ。
趣味で自転車に乗るようになると、走行距離やペースなどを記録したくなる。走行データを記録するには「サイクルコンピューター」などの専用機器が必要だったが、スマートフォン(スマホ)アプリで代用できるようになった。サイクリング時に役立つアプリを紹介しよう。
愛好家同士で交流
「Runtastic Road Bike」は、走行データをリアルタイムで表示したり記録したりしたい人向けのアプリ。スマホ内蔵の全地球測位システム(GPS)機能と連動し、走行距離や速度、高度(標高)、消費カロリーなどをスマホ画面上に表示できる。サイクリングを終え自宅に戻った後に、走行したルートを地図上で確認することも可能だ。本アプリは、機能が制限され広告が表示される無料版のほかに、フル機能が利用できる有料版(600円)もある。
サイクリングのみならず、ランニングやウオーキングといったフィットネスの記録を統合的に管理したいなら「Runkeeper」がお薦め。サイクリングした距離や速度、消費カロリー、走行ルートの記録など、主な機能は備わっている。
目的地を決めず気の向くまま自転車をこぐのは楽しいものだが、通勤や通学、買い物など交通手段として自転車を使っている人も多いだろう。不慣れな場所へ向かうときに役立つのが「自転車NAVITIME」だ。
いわゆるナビゲーションアプリなのだが、米グーグルの「Google Map」のナビ機能とはひと味違う。坂道など高低差の少ないルート検索が可能なのだ。地図上に最寄りのトイレの場所を表示するなど、自転車に特化。東京、埼玉、千葉を巡る「江戸川サイクリングロード」など、全国のサイクリングロードの情報も確認できる。
自転車をこよなく愛する人同士で情報交換したいなら「チャリトモ」がお薦め。自転車の走行データを記録できるだけでなく、それらのデータをネット上で手軽に共有可能だ。全国のユーザーと記録を競い合ったり、チームを構成してサークル活動にいそしんだりできる。
器具に固定し便利に
今回紹介したアプリは、スマホを上着のポケットやウエストポーチなどに入れたままでも動作する。ただし、アプリの情報を確認するため、ポケットやポーチからいちいちスマホを取り出すのは面倒だ。より便利に使いたいなら、自転車のハンドルにスマホを固定する器具の併用を検討するとよい。
インターネットの検索サービスを使って「自転車用スマホホルダー」といったキーワードで探せば簡単に見つかる。価格は製品によって異なるが、おおむね1000~2000円程度。筆者も利用しており、重宝している。
便利なスマホホルダーだが、注意点もある。一つは、スマホが落下するリスク。自転車が転倒したり段差に乗り上げたりしたショックで、ホルダーからスマホが外れ落下する恐れがある。普通に走行していても振動でホルダー部が緩んだり、経年劣化でプラスチックパーツが割れたりすることもあるので過信は禁物だ。スマホをケースに入れて利用しているなら、ケースに付けたストラップをハンドル部に別途結んでおけば、スマホが落下するリスクを減らせる。
もう一つは、走行中にスマホ画面を凝視しないことだ。アプリを見ながらの走行は事故の元。アプリの操作や閲覧は信号待ちや休憩中にとどめよう。
(コンテンツ編集部 菅井光浩)
[日本経済新聞夕刊2016年11月17日付]
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