紅葉・美術・読書… 深まる秋、アプリで楽しむ
「京都の紅葉をじっくり、落ち着いて見て回りたい」。アプリ開発会社のイデア・ビレッジ(東京・新宿)が配信している「ぶらぶら京都 京都の紅葉」は、そんな要望に応えるアプリだ。京都の紅葉スポット約100カ所の情報が入っており、手軽に利用できる。
見ごろの時期表示
利用者はアプリ内の地図で行ってみたい紅葉スポットを選んでクリック。すると、見ごろの時期、最寄り駅などの関連情報を表示する仕組みだ。写真がついているためわかりやすく、さらにスポットがお寺などの場合には、拝観料などの情報も掲載している。
表示するスポットにも、特徴がある。金閣寺(京都市)のように著名なお寺などが含まれているだけでなく、それほど知られていないスポットも同時に掲載している。都内在住の主婦篠田恵美さん(58)は、「スポットに『穴場』などの情報があるので、とても重宝している」と魅力を語る。
同社の小磯紀子代表取締役は、「掲載しているのは、私が実際に歩いて見つけた場所ばかり。だからこそ、穴場などの情報も盛り込むことができた」と胸を張る。秋の京都は人気が高く休日は混雑するところが多い。しかし、アプリをうまく使えば、人混みを避けながら京都の紅葉を満喫できるかもしれない。
価格は240円。小磯代表取締役は「将来的には京都だけでなく、全国の紅葉スポットを網羅するアプリに育てていきたい」と意気込む。
紅葉と並んで秋を彩るのが美術展だろう。NPO法人GADAGO(東京・港)が配信しているアプリ「Tokyo ArtBeat(TAB)」では、美術館などでの大規模な展覧会から小さなギャラリーでの作品展示まで、東京近郊で開かれるアートに関連したイベントの情報を常時、500~600件ほど掲載している。
アプリの絞り込み機能を使えば、利用者は「常設展」や「もうじき開催」といったカテゴリーから展覧会を選ぶことができるので便利だ。美術にあまり詳しくない人でも、手軽に訪問する美術館を選んだり、スケジュールを組んだりできるに違いない。さまざまな形で並べ替えも可能なため、アプリを通じてそれまであまりなじみがなかった作品や作家との出会いもありそうだ。
全地球測位システム(GPS)機能によって、自分のいる場所の近くで開催中の展覧会の検索もできる。例えば、仕事が早く終わったときに職場の近くで開催中の展覧会を探してアートに触れる、といった使い方をするのもよいだろう。
感想書き込む機能
美術館のクーポンも常時更新している。多様な工夫を加えることによって、展覧会やギャラリーを訪問するハードルを下げている。
秋の夜長には、本を読むことも多くの人にとって楽しみとなるだろう。そのために役立つのが、読書管理アプリ「読書管理ビブリア」だ。
使い方は簡単。スマートフォンのカメラ機能を使って書籍のバーコードを読み取ると、タイトルや著者名、出版社名などがメモとして保存される仕組みだ。このため、購入したり借りたりした本についての情報がすぐにわかる。アプリには感想などを書き込む機能があるため、読書を終えた後にも役立つ。「読みっぱなし」を減らすこともできそうだ。
秋にはこの季節ならではの魅力がたくさんある。アプリを使えば、そんな魅力をこれまで以上に楽しむことができるかもしれない。
(メディア戦略部 飯島圭太郎)
[日本経済新聞夕刊2016年11月10日付]
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