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仏語圏コミック、漫画と溶け合う 日本で翻訳・展覧会

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バンド・デシネ(BD(ベデ)=帯状の絵)と呼ばれるフランスやベルギーなど仏語圏の漫画。日本とは異なる特徴を持つが、翻訳出版や展覧会などを通じ、急速に日本文化と融合してきた。

「ルーヴルも漫画については日本にとても敬意を払っている」

そう話すのは東映文化事業室の脇田さくら課長だ。ルーヴル美術館が東映などと共催する特別展「ルーヴルNo.9~漫画、9番目の芸術」は、同美術館を題材に日仏の人気漫画家が描き下ろした作品の原画など約300点を展示。12月1日から来年1月29日までグランフロント大阪(大阪市)で開く。

この企画のために新作を描いたのは計12人。第1弾として2005年、ニコラ・ド・クレシーが現代文明が失われた遠い未来に、考古学調査団が氷河に埋もれた美術館を発見する「氷河期」を発表。その後、各作家が続々と新作を描いた。

ルーヴルが企画

日本からは「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦、「孤独のグルメ」の谷口ジロー、「ピンポン」の松本大洋の3人が参加した。谷口の「千年の翼、百年の夢」はスペインの国際漫画展に参加した日本人漫画家がルーヴルに立ち寄り、夢と現実の間をさまよう物語だ。

日本での展覧会は今夏に東京で始まり、大阪に続いて、来春に福岡、来夏に名古屋を巡る。日本開催に当たり、ヤマザキマリら4人が新たに作品を描いた。ルーヴル美術館文化メディエーション・プログラム部のヴァンサン・ポマレード部長は「BD作家や日本の漫画家は現代を代表するアーティスト。初めて大きな美術館が漫画という新しい近代芸術に焦点を当てた」と意義を挙げる。

同じ漫画でも日仏では作風や形態が大きく異なる。日本は雑誌連載を経て単行本になるが、BDは大半が描き下ろしの単行本で発行ペースも年1巻程度と遅い。日本は白黒が基本だが、BDはフルカラーが主体で、単行本はA4サイズなど日本より判型が大きい。

日本ではベルギーのエルジェが書いた「タンタンの冒険」がよく知られ、1960年代に日本で刊行が始まった。80年ごろにSF専門誌などがメビウス、エンキ・ビラルら代表的なBD作家を紹介。2000年代に入り日本で翻訳出版される作品が増えている。

日仏が独自のスタイルを維持してきたが、近年は急接近が目立つ。1990年代以降、日本の漫画やアニメが大量にフランスに流入し、若手作家が大きな影響を受けた。

「(著作の)『ラストマン』序盤に主人公が格闘技大会に挑むのは鳥山明『ドラゴンボール』へのオマージュ。高橋留美子やあだち充にも影響を受けた」。そう明かすのはBD作家でイラストレーターのバラックだ。「ラストマン」(ユーロマンガ)1~2巻が日本で翻訳出版されたのに合わせ10月中旬に来日、トークイベントを開いた。

同作はバラックが絵コンテ、バスティアン・ヴィヴェスとミカエル・サンラヴィルが作画を担当する3者の共作。BDでは異例の白黒中心で判型も日本の単行本サイズと小さい。本国では年3巻という早いペースで、既に9巻まで出た。ヴィヴェスは「漫画の爽快さや展開の早さと、BDの洗練されたセンス。両者のいいところを融合した。刊行ペースが早すぎて疲れたけれど」と笑う。

優れた状況描写

ヴィヴェスは「80年前後生まれの僕らは漫画にどっぷりつかり育った。鳥山や大友克洋、浅野いにおらのキャラクターデザインや演出法、世界観はとても魅力的。一方、緻密な作画や話法などBDならではの特徴もある」と話す。

漫画家で京都精華大学教授の板橋しゅうほうは「漫画は人物の感情表現が多くBDは状況描写が優れる。両者の良さが共存しワールドコミックともいえる作品になった」と指摘する。

大友や谷口ら日本の漫画家は70~80年代、メビウスらの影響のもと作画を磨いた。かつてゴッホやマネが浮世絵に着目したように、日仏の漫画文化は触発し合い、巡り巡って新たな表現に到達しつつある。

(大阪・文化担当 多田明)

[日本経済新聞夕刊2016年10月31日付]

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