「産直アプリ」生産者と直接結ぶ 献立もまとめて提案

多くの海や山の幸が食べごろを迎える秋が到来した。旬の食材を堪能したい人も多いだろう。最近では生産者から食材が直接届いたり、栄養バランスを考えた献立をたてたりするアプリが登場しており、日々の食卓を彩る一助になる。

「来た!すごいです!動いてます!」「いためてパスタにしました」。岩手県の漁師、千葉豪さん(33)のページにカニを買った人から様々な感想が並ぶ。新鮮さやおいしさに感動する声が多いが、「苦かった」という正直な感想もある。

漁後1時間で出荷も

食材を入力すると献立が自動で作成できるアプリ「ミーニュー」(東京都江東区)

ポケットマルシェ(岩手県花巻市)は新鮮な野菜や魚を農家や漁師から直接買えるアプリ「ポケットマルシェ」を提供する。商品を選んで購入すると、生産者から宅配便で自宅に直接届く。仲介業者を通さないため、生産地などから消費者のもとに届くまでの時間が短い。なかには漁を終えて1時間ほどで出荷する漁師もいるという。

購入者と生産者が直接やりとりできることも魅力のひとつだ。生産者がおすすめの食べ方を投稿することもあれば、購入者がおいしい調理法を生産者に紹介することもある。商品のファンになった購入者のなかには生産者を訪れる人もいる。

旬の食材は色々な調理方法でも楽しみたい。ミーニュー(岡山市)の「me:new(ミーニュー)」は日々の献立を提案するアプリだ。使いたい食材を選ぶと、その食材を使って栄養バランスのとれた献立を最長で1週間分をたててくれる。揚げ物やいため物が連続しないよう調理法にも配慮。献立に合わせて、必要な食材の買い物リストも表示される。

例えば、献立の期間を3日分に設定して使いたい食材に「さつまいも」を選ぶと、3日目の夜に「さつま芋のオニオンバター煮」が入った献立がすぐにできる。指定した食材を使った料理は期間中に1品は必ず入る。

何日分かの献立をまとめてたててくれるため、忙しい子育て世代に人気だ。神奈川県在住の30代の女性会社員は「これまでは保育園の給食などを考えて献立をたてるのが大変だった」と話す。夫と献立や買い物リストを共有できるので、食材を買ったり、使ったりするときの間違いが無くなったという。

自炊始める契機に

おいしい食べ物に囲まれると食欲をそそられるが、食べ過ぎには気を付けたい。食堂受託運営大手グリーンハウス(東京・新宿)子会社のウィット(同)のアプリ「あすけん」は食生活を管理できる。何を食べたかを入力すればカロリーだけでなく、ダイエットに重要な14種の栄養素が足りているかどうかを分析できる。

あすけんは、親会社のグリーンハウスに所属する栄養士のノウハウを基にしたアドバイス作成システムを持つ。アドバイスは年齢や性別などに応じて変わり、不足している栄養素や食生活の改善方法が分かる。

「食事を自分で作るようになりました」と話すのは都内在住の運動トレーナー、山下勇紀さん(31)。一人暮らしのため主に食事はコンビニエンスストアで買って済ませていたが、「あすけん」で栄養の偏りに気付いたという。

あすけんは食べたものを入力して栄養などを確認するが、「食べるものを決める前にアプリでシミュレーションをする人もいる」(道江美貴子執行役員)。事前にカロリーや栄養バランスを確認することで食べ過ぎや栄養の偏りの防止に役立つ。

サンマや柿、梨、栗、マツタケ、新米など多くの食べ物が食べごろを迎える食欲の秋。食べ過ぎと健康に気を使いながら、旬の食材を普段の食事に取り入れてみてはいかがだろうか。

(経済部 吉田悟巳)

[日本経済新聞夕刊2016年10月27日付]

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