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ブック、おススメの1冊

自由の条件 猪木武徳著 「善い社会」へ優れた示唆

2016/10/20付 日本経済新聞 夕刊

(ミネルヴァ書房・3000円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

ビジネスを含め、社会生活の健全さは、秩序の健全さによって担保される。だが、社会には不満が溢(あふ)れる。人間の持つ能力格差が不平等を生み出すからだ。しかし人間の尊厳を主張する側は、仕組みの問題としてそれを認めない。自由の擁護は、イデオロギーとして「分が悪い」。

それぞれの主張が重なるスミス、トクヴィル、福沢諭吉という近代の大思想家を辿りながら「自由と平等」を徹底して突き詰めた本書は、民主制社会の経済メカニズムと、人々の価値意識、そして政策手段との整合性に関して優れた示唆を与えてくれる。大切なのは冷静な議論だ。「言論の自由」は、議論を通して、「真理への到達」「善い社会」の形成を支えるからだ。素晴らしい5つ星。

★★★★★

(福山大学教授 中沢孝夫)

[日本経済新聞夕刊2016年10月20日付]

★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…

自由の条件:スミス・トクヴィル・福澤諭吉の思想的系譜 (叢書・知を究める)

著者 : 猪木武徳
出版 : ミネルヴァ書房
価格 : 3,240円 (税込み)

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