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世界都市力 東京が3位に浮上 強みと課題浮き彫りに 訪問者・国際会議は増/タクシー運賃割高

2016/10/19付 日本経済新聞 朝刊

外国人観光客らでにぎわう浅草

 森記念財団(東京・港)のシンクタンク、都市戦略研究所がまとめた2016年版「世界の都市総合力ランキング」では東京がパリを抜いて初めて3位になった。訪日観光客の急増、円安による物価や住居費の割安感が順位を押し上げた。ただ外的要因が追い風になったうえ、交通アクセスや環境では海外の都市になお後れを取っている。20年東京五輪・パラリンピックに向けた課題が改めて浮き彫りになった形だ。

 ランキングは世界42都市を対象に、経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野70指標を点数化し、総合評価した。竹中平蔵所長(東洋大学教授)は結果について「東京はポテンシャルを持ち、構造改革を通じた変化は間違いなく含まれているがまだスタート。これから(構造改革を)本格的に進めなければならない」と述べた。

 分野別をみると、文化・交流は順位こそ5位で変わらなかったが、海外からの訪問者数や国際会議の開催件数が増えて得点を伸ばした。東京五輪も意識し、国を挙げて進める訪日客誘致などが実を結びつつある。ただ、総合首位のロンドンや2位のニューヨークとの差はまだ大きい。パリは昨年11月の同時テロの影響を受けた面がある。

 経済は法人税率の引き下げが寄与して首位、研究・開発も2位と昨年と同じ順位を保った。ただビジネス環境や人材の集積など一部で得点を落とし、他の都市の追い上げが目立つ。昨年の15位から6位に順位を上げた居住では賃貸住宅の平均賃料や物価水準が相対的に割安と評価されたが、為替相場の円安という外的要因が押し上げた形だ。

 ベスト10に入らなかったのが環境(12位)と交通・アクセス(11位)。環境では海外の主要都市に比べて再生可能エネルギー活用の割合がまだ相対的に低い。交通アクセスでは国際線旅客数や都心から空港までの所要時間などが改善した。ただタクシーの運賃が割高な点など課題もなお多いという。

 こうした強みと課題を踏まえ、東京の潜在力を高めるために竹中所長は「国家戦略特区のような手法が重要だ」と指摘。医療や金融など幅広い分野で規制改革を進める必要性を訴えた。小池百合子都知事もランキングについて「東京が総合力で世界有数の都市であると示された。強みを伸ばしつつ課題を克服し、東京のさらなる進化を目指す」とのコメントを寄せた。

 一定の基準を元に世界42都市を選定して比較しており、日本では他に大阪市が22位、福岡市が36位だった。

[日本経済新聞2016年10月19日付朝刊]

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