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 香りは人の印象を左右する。仕事の場でも良い香りが漂う相手に好印象を抱く人は多い。とはいえ、「柄じゃない」「よく分からない」と考えて手が出せない人もいる。ビジネスの場面で好感度を上げる香水の選び方や使い方をまとめた。

「相手がいい香りだと打ち合わせ中も気分がいい」。都内で働く30代女性のAさんは話す。特に満員電車で人にもまれた後、取引先の人から良い香りがしてくると、思わずお礼を言いたくなり、記憶にも残るという。

どんな香りが仕事の場で好印象につながるのか。

香水評論家の平田幸子さんは「日本では、まず清潔感のある香り。身だしなみに気をつけている印象になり好感度が上がる」と話す。具体的にはシトラス(かんきつ系)や、フレッシュなフローラル(花系)が好感を持たれやすい。

手ごろなものも

平田さんが初心者におすすめするのは、ロクシタンの「ヴァーベナ・オードトワレ」。かんきつ系の香りで男女共に人気がある。ドラッグストアで買えるアクアシャボンの「ノルディックソープの香り・オードトワレ」も手ごろ。「買って使わないと、自分がどんな香りが好きかも分からず、日常的に使わないと習慣化されない」と平田さん。初心者は気軽に買える物から試してみるとよさそうだ。

その上で、本格的な香水を使いたい人はどんな香りを選ぶべきか? 東京・新宿の伊勢丹新宿店本館1階フレグランスショップの飯塚美佐江さんに、仕事でおすすめの香水をタイプ別に選んでもらった。いずれも男女共用だ。

(左から)クリーンのクリーン・リザーブ・ウォームコットン・オードパルファム(100ミリリットル・1万4580円)、アトリエ・コロンのウーロン・アンフィニ・コロン・アブソリュ(100ミリリットル・1万8900円)、プラダのプラダオム・オーデトワレ(100ミリリットル・1万2960円)

(左から)クリーンのクリーン・リザーブ・ウォームコットン・オードパルファム(100ミリリットル・1万4580円)、アトリエ・コロンのウーロン・アンフィニ・コロン・アブソリュ(100ミリリットル・1万8900円)、プラダのプラダオム・オーデトワレ(100ミリリットル・1万2960円)

年代を問わず好かれる爽やかな香りならクリーンの「クリーン・リザーブ・ウォームコットン・オードパルファム」やメゾン・フランシス・クルジャンの「アクア・ユニヴェルサリス・オードトワレ」。洗いたてのシャツのような清潔感がある。

部下を持つ人なら落ち着きと優しさのあるアトリエ・コロンの「ウーロン・アンフィニ・コロン・アブソリュ」や深みのあるプラダの「プラダオム・オーデトワレ」。知的で頼りがいのある印象になる。

一歩先をいくセンスをアピールしたいなら、天然香料100%使用のオードパルファム、カルトゥージアの「セントラルパーク」。爽やか、かつ重厚なクリードの「ロイヤル・ウォーター」もおすすめという。

時間で香り変化

好みの香りか、自分に似合うかは実際に嗅いでみないと分からない。伊勢丹新宿店には日本フレグランス協会認定のスペシャリストが複数名いる。予約なしで約600種類から似合う香水を選んでくれる。売り場でそうした有資格者に相談してみるといいだろう。

注意したいのは、香水は時間経過によってトップ、ミドル、ラストと香りが変化すること(図参照)。ゆえに「ムエット(匂い紙)だけで判断するのは危険」と男性美容研究家の藤村岳さん。「2つの香りで迷ったら、右腕と左腕に別の香りをつけて売り場を少し歩いてから選ぶのがおすすめ」だそう。

香水をつける際は「まず身体の不快な臭いを取り除くこと」と藤村さん。香水はヨーロッパで体臭をごまかすために発達した歴史もあるが、それは入浴の習慣がなかったから。「風呂に入る文化があり、高温多湿な日本では、清潔な身体にのせて楽しむもの」と藤村さんは助言する。香りをなじませ柔らかくするため、服を着る前につけよう。

つける場所や量も大切だ。「香りはあたためられて下から上に香るので、体温の高い場所がおすすめ」と飯塚さん。藤村さんは「前面より背面、上半身より下半身がほのかに香る」と指摘する。

肘裏、膝裏、足首、腰回り、背中のうち1カ所から数カ所に、身体から10~20センチ離してワンプッシュするといい。「香っているかな? と自分が感じる程度がベスト」と飯塚さん。耳の後ろや首はダイレクトに香りすぎるので、避けた方が無難だ。

香水は香りの持続時間によって分類される(図参照)。だが同じオードトワレでも香りによっては1時間で飛ぶこともある。「かんきつ系は消えるのが早いのであまり神経質にならなくても大丈夫。ムスクやバニラなどハードな香りの時は気をつけて」と平田さん。家族や親しい人に率直な感想を聞いてみるのもいいだろう。

(ライター ヨダ エリ)

[日本経済新聞夕刊2016年10月17日付]

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