現代経済学は数学化・物理学化している。2004年のノーベル経済学賞に輝いた動的マクロ均衡理論や金融工学の代名詞であるブラック・ショールズ理論などは、政府の政策立案者でも完璧に理解していないのではないかと思われるほど難しい。
2分冊の第1巻である本書は動的マクロ均衡理論を扱っている。初級編と中級編では、ケインズ経済学以来の歴史や物理学の最小作用の原理などが詳述され、数式なしで、難解な理論が一気に腑(ふ)に落ちる。そして上級編では物理数学のラグランジュアンを駆使して動的マクロ理論の数学的本質が暴かれる。
文系が経済数学を理解でき、理系が経済学を理解できる。現代経済学攻略のためのバイブル登場だ。
★★★★★
(サイエンス作家 竹内薫)
[日本経済新聞夕刊2016年10月6日付]
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…