テレ東のドラマ『五右衛門』 市川海老蔵の色気
テレビ東京系のゴールデンタイム(午後7~10時)では8年ぶりとなる連続時代劇「石川五右衛門」が14日から始まる(毎週金曜午後8時から)。主役の石川五右衛門を演じるのは歌舞伎俳優の市川海老蔵。連続ドラマでの主演は2003年に市川新之助として出演したNHK大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」以来となる。
09年に海老蔵が舞台で演じた同名の新作歌舞伎を映像化した。時代は安土桃山。豊臣秀吉がぜいたくの限りを尽くす一方、庶民は食べるものもなく貧しい暮らしをしていた。五右衛門はそんな彼らを救うため、大名や大商人の屋敷から財宝を盗み、庶民に分け与える。
慣れ親しんだ役だけに、海老蔵の演技が見事だ。力強く眼を光らせ、天下のかぶき者を自然体で演じる。五右衛門については数々の伝説が残るが、史実ははっきりしない点が多い。だからこそ、海老蔵は「自由で独創的な可能性を感じている」とほれ込む。立ち振る舞いやセリフ回しにはそこはかとない色気が漂い、新しいヒーローの誕生を予感させる。
山鹿達也チーフプロデューサーは「笑って泣けて痛快なエンターテインメントを目指す」と話す。闇に溶け込む五右衛門一家、秀吉や石田三成とのせめぎ合い、秀吉の側室茶々とのロマンス――。「金銀財宝盗んでも、畜生外道許さねえ」の決めゼリフとともに巨大な権力に立ち向かう庶民の味方という構図も、時代劇の楽しみを増幅させる。十二代目市川団十郎から引き継いだという伝統的な衣装やかぶき者らしい奇抜なメークも見どころだ。
近年、地上波で新しく時代劇が制作されることは少ない。海老蔵は「多くの人に見てもらい、時代劇の魅力を知ってほしい」と語る。脚本は漫画「金田一少年の事件簿」などで知られる樹林伸らが手掛ける。
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