秩父 訪日客もてなしへWi―Fiや免税販売など一丸

秩父地域地場産業振興センターには免税店を示すのぼりを置いた(13日、秩父市)
秩父地域地場産業振興センターには免税店を示すのぼりを置いた(13日、秩父市)

埼玉県秩父地域の観光施設が免税販売などで訪日外国人向けのサービスを拡充している。秩父鉄道の駅ビルに入る物産店が9月に免税登録を取得。無料の公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」の導入も進む。秩父は外国人観光客が増加傾向にあり、誘客だけでなく、訪れた観光客の満足度を高める取り組みが始まっている。

秩父鉄道秩父駅にある秩父地域地場産業振興センターは9月から、土産品など2800品の免税販売を始めた。同館は秩父産の食べ物や、伝統工芸品などを展示販売している。利便性が高いため、秩父の中では多くの観光客が立ち寄る。

免税販売の導入に先立ち、20万~30万円を投じ従来1つしかなかったクレジットカードの決済端末をレジ5カ所に設けた。中国の観光客が使う銀聯カードにも対応した。

店員には研修を実施し、日本語の通じない外国人に対する接客方法や、指さしで簡単な意思疎通ができるシートの使い方を学んでもらった。

武甲酒造も昨年から免税販売を始めた。酒蔵で製造する酒だけでなく、仕入れたワインなども売り出している。同社は「外国人観光客からの反響は総じて良い」と実感する。

通信網の整備も進める。秩父地域おもてなし観光公社は、鉄道駅周辺や主要観光施設など約20カ所にワイファイ整備を進めている。外国人が情報を取得できるうえ、SNS(交流サイト)に写真などを投稿してもらい、海外への情報発信につなげる。西武鉄道も9月、都心から秩父に向かう特急「レッドアロー号」に導入し始めた。

観光公社によると、秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町及び小鹿野町の1市4町を訪れる観光客は増え続けている。2013年には843万人だったが、15年は928万人と1000万人に迫る勢い。外国人観光客について市観光課は「鉄道駅や芝桜で有名な羊山公園で外国人が目に見えて増えている」と話す。中国人観光客の「爆買い」は一巡したとはいえ、訪日外国人の消費意欲はなお旺盛だ。秩父地域おもてなし観光公社は観光事業者や旅館などを集めた会議を設立。地域一丸となってインバウンドを取り込む方針をまとめた。

西武鉄道は7月、台湾のメディア関係者や大手旅行会社を招き、秩父や川越、飯能などを案内する視察ツアーを催した。海外現地での情報発信につなげ、認知度を高めていく。

[日本経済新聞2016年9月15日付朝刊]

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