SNS、「ダメ」「おかしい」など否定表現によく注意

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LINEやフェイスブックなどSNSでのやりとりに不安を感じることがあります。言葉の選び方などどんな点に気を付ければ良いでしょうか。スマートなコミュニケーション術を教えてください。

「ダメ」「おかしい」はNG

SNS(交流サイト)上でトラブルが起きやすいのはなぜか。東京大学情報学環の橋元良明教授は「顔が見えず、文字だけで相手の考えや気持ちを理解しなければいけないから」と指摘する。

人は人と会って対話するとき、半分以上は非言語的コミュニケーションに頼っているともいわれている。橋元教授によると、非言語的コミュニケーションとは表情や視線、声の大きさやトーン、身ぶり手ぶりなど言語以外のやりとりを指す。こうした非言語が加わることで、相手の真意をとらえやすくなる。

しかし文字中心のSNSでは非言語には頼れない。LINE(ライン)のスタンプなど感情を表すツールも「気持ちを伝えるのに十分とはいえない」と橋元さんは話す。

どうすれば誤解を避けられるのか。基本は否定的な言葉を使わないこと。「ダメ」「変わっている」「やめて」など否定的な言葉はNGだ。

例えばフェイスブックで相手の投稿に「それはおかしいね」と意見したとする。親しい間柄だから半分冗談で意見したつもりでも、相手は額面通り受け止め、ひどく否定されたと勘違いしかねない。

感情的な言葉もやめよう。ITジャーナリストの高橋暁子さんは「人によって読解力に差がある。文章で気持ちを全て伝えるのは難しいと思って」と助言する。感情的になりそうな時は通話に切り替えるか、会って話そう。

お金の話題もトラブルにつながりやすい。金銭感覚は人それぞれで「文章のやりとりだけで合意をとるのが難しい」(高橋さん)。プレゼント代や飲み会費用などグループで初めて決める時はまずは会って話し合うことが大切だ。

グループ、まず会ってから

ICT総研によると、日本のSNSの利用者は2016年末に6872万人になる見通し。中でも断トツに利用率が高いのがLINEだ。手軽にやりとりできる利便性が支持されている。ただ、トラブルも起きやすいので相手を慎重に選ぼう。

LINEの特徴は、自分が送ったメッセージを相手が読むと、画面に「既読」と表示される点だ。送った方は相手が読んだことを確認できて便利。ただし「既読」になっているのに返信がない場合、「相手を責めてトラブルに発展するケースが多い」と高橋さんは指摘する。俗に言う「既読スルー」だ。

メッセージを受け取っても、すぐに返信できるとは限らない。そうした相手の事情を考慮するのが本来のマナーだ。ただ無用のトラブルを避けるためにも、メッセージを受け取ったらひとまず「後でちゃんと返信するね」などと送っておくのも1つの方法。LINEを始める時に「返信が遅くて迷惑かけるかも」と一言断っておくのも良い。

メッセージを送る時はどんなに短くても読み返す。これを習慣にすれば感情的な言葉をぶつけずに済む。また、LINEは長文には向かない。高橋さんは「13文字で5~6行が目安。1つの吹き出しに複数の要件を書くとわかりにくいので、要件ごとに吹き出しを変えよう」と助言する。

LINEで特に問題になりやすいのがグループでのやりとり。PTAに関する著書が多い大塚玲子さんは「世代や考え方が多様な集団が全く顔を合わさず文字だけでやりとりするのはリスクが高い」と指摘する。どんなグループでもまずは会ってメンバーのことを理解するのが望ましい。「グループ内外の人の陰口はもちろん、批判的な言葉は使わない」(大塚さん)

グループのトークでは、メンバーとのやりとりが長時間続くと、抜け出しにくくなることがある。そんな時は「子どもに呼ばれて」「電話する約束が」など「皆が納得する言い訳を作っていったんトークから外れれば良い」と高橋さんはアドバイスする。

トラブルになりやすいLINEのやりとり。用件を伝えるだけ、既読スルーは当たり前、くらいの心構えで上手に付き合いたい。

(坂下曜子)

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[日経プラスワン2016年9月10日付]