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巡回バスで観光・買い物 無料や1回100円から

2016/9/3付 日本経済新聞 プラスワン

特定のエリアをあちこち散策したり、買い物したりするには「巡回バス」を使うと安くて便利だ。外国人観光客が増えた近年、主要な観光スポットを巡る1日乗り放題のタイプも多数登場。運行ルートの選択肢も広がっている。降りる駅を事前に調べてから乗るのもいいし、ぶらり出かけて気ままに乗り降りするのも楽しそうだ。
浅草や上野などを広範囲に巡る(東京都台東区の「東西めぐりん」)

「短い時間だったけれども日本橋の見物を楽しんでもらえてよかった」。東京都に住む男性Aさん(45)は最近、東京出張を終えて地元へ帰る友人を見送るついでに、JR東京駅を発着する無料のシャトルバスに同乗してみた。

この「メトロリンク日本橋」は地元企業の協賛により日の丸自動車興業(東京・文京)が毎日、朝10時から夜8時まで約10分間隔で運行している。八重洲口から出発した後、三越百貨店や日銀、高島屋百貨店を通り、京橋を経由して東京駅に戻る。

ルート上には13の停留所があり、乗り降りは自由。買い物目的の主婦層のほか、ビジネスの足として利用する人も多い。同社は同様の無料バスを千代田区の丸の内周辺、港区のお台場周辺でもそれぞれ運行している。

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各地でここ数年、観光客や買い物客を呼び寄せようと、運賃を無料か割安にした巡回バスが増えている()。地元の企業や店舗が資金面も含めて協賛するのが一般的だ。

生活の足として使われる通常の路線バスと異なり、人が集まる商業・観光スポットに集中的にバス停を設けるのが特徴。多くはほぼ毎日、朝9時前後から夜7時頃まで約10~30分間隔で運行。車体はカラフルに塗装され地元の魅力をアピールする。

大阪市では阪急バスが主体となり2013年から、梅田エリアで「うめぐる」を運行。阪急電鉄梅田駅、複合施設グランフロント大阪を通るルートは1周30分ほど。運賃は乗車1回100円。何回でも乗り降りできる1日券は200円と割安で、買い物巡りをするのにもいい。

札幌市では観光スポットを北海道中央バスの「さっぽろうぉ~く」が約30分かけて循環。サッポロビール園や大通公園などいろんな場所にバス停がある。小刻みに見学して回りたいという観光客にお勧めだ。

福岡市の中心街を移動するのに便利なのが西日本鉄道の「福岡都心100円バス」。JR博多駅と天神地区を含むエリアを一律の運賃区間に指定。域内にある同社のバス停であれば、どこで乗り降りしても100円。キャナルシティ博多や住吉神社といった観光スポットもある。

江戸時代の風情が残る埼玉県川越市を走るのは「小江戸巡回バス」。JR川越駅から発着し、蔵の街、菓子屋横丁といった観光名所を巡る。乗車1回200円(一部エリアを除く)、1日乗車券は500円だ。「街並みに合う色調のクラシックなデザインも好評」(川越市のイーグルバス)で、外国人を含め利用者は年々増えているという。

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巡回バスは民間企業のほか、自治体が運営するケースもある。地元施設をより多くの人に使ってもらうために設けており、コミュニティーバスとも呼ばれる。主要な鉄道・地下鉄駅や公共施設を通ることも多く、観光や買い物にも役立つ。

東京都台東区の「めぐりん」は運賃が乗車1回100円、1日乗り放題が300円だ。浅草や上野を中心に4本のルートがある。浅草寺や上野公園、寛永寺などの観光スポットへアクセスするのに便利だ。

渋谷区は「ハチ公バス」の名称で4つのルートを運行する。JR渋谷駅付近で乗降でき、恵比寿・代官山を巡回するルートや、原宿・表参道・代々木を経由するルートは、ファッションやグルメを楽しむのにいい。運賃は1回100円だ。

巡回バスは車体が小さいことがあり、大きな手荷物は専用ロッカーなどに預けておいたほうが身軽に移動できる。自治体運営のコミュニティーバスは、地域の高齢者などの大事な交通手段でもあるので他の利用者に配慮するよう心掛けたい。

(ライター 福島 由恵)

[日経プラスワン2016年9月3日付]

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