水戸黄門 天下の副編集長 月村了衛著大爆笑誘う原稿督促の旅

(徳間書店・1600円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

時代物のパロディ、ここに極まれり、といった大爆笑の一巻である。

遅々として進まぬ『国史』(『大日本史』)の編纂(へんさん)に業を煮やした水戸光圀は、覚さん、介さん、さらには机(デスク)のお吟と呼ばれる鬼編修者とともに、原稿督促の旅に出る。

正に天下の副将軍ならぬ天下の副編集長というわけだ。

ところが行く先々で、執筆者を缶詰めにしたり、『国史』をパクって正史を捏造(ねつぞう)したりする剣呑(けんのん)な連中が登場。光圀側も負けてはいない。危機一髪の時に現れる謎の風車の使い手は誰?

が、それだけではない。笑いの中にも本書の真のテーマは、ラストの覚さんの独白の中にある。実に微笑(ほほえ)ましい一巻といえよう。

★★★★★

(文芸評論家 縄田一男)

[日本経済新聞夕刊2016年8月25日付]

★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…

水戸黄門 天下の副編集長 (文芸書)

著者 : 月村 了衛
出版 : 徳間書店
価格 : 1,728円 (税込み)

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