歴史の見方 玉木俊明著西洋史の試行錯誤たどる

(創元社・2200円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

イギリスは、ながらく日本にとって近代化や民主化の手本だと、されてきた。明治の日本は、国家の保護と指導により、どうにか近代化をなしとげる。だが、イギリスは自生的に発展したと、そう言われたものである。

しかし、17世紀までイギリスはオランダに、おくれをとっていた。イギリスもまた、国家の強権にささえられ、隆盛にむかったと、今はされている。

この歴史認識に、日本の西洋史学がすぐたどりついたわけではない。そこへいたるまでには、試行錯誤もあった。著者は、その史学史的な歩みを、自分の研究歴とともにたどっていく。

日本人が西洋史を学ぶことの意義も、あらためて考えさせる。日本における勤勉革命説への批判も、興味ぶかい。

★★★★

(風俗史家 井上章一)

[日本経済新聞夕刊2016年8月18日付]

★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…

歴史の見方:西洋史のリバイバル (創元世界史ライブラリー)

著者 : 玉木 俊明
出版 : 創元社
価格 : 2,376円 (税込み)