ファイティング40、ママはチャンピオン 鈴木一功著スーパーママの闘いの日々

(新潮社・1500円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

颯爽(さっそう)としたヒロインの登場だ。山川佳代子40歳、2児の母親であり、PTA会長であり、消防団員であり、町内新聞編集部員であり、女優であり、そしてプロボクサーだ。

このヒロインの性格を知るにはある日の夕刊紙の記事を見るだけでいい。日本人選手の応援にロンドンへ行った佳代子は判定に抗議して逆上し、相手の世界チャンピオンに殴りかかって乱闘になる。日本人選手の敗北よりもその乱闘のほうが話題になって報道されるから大変だ。

ひょんなことからボクサーとなり、世界戦を戦うまでの日々を、劇団を主宰する亭主の側から描くこの軽妙な長編を読み終えると、人生は結構楽しいじゃん、との気になってくる。

★★★★

(文芸評論家 北上次郎)

[日本経済新聞夕刊2016年8月18日付]

★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…

ファイティング40、ママはチャンピオン

著者 : 鈴木 一功
出版 : 新潮社
価格 : 1,620円 (税込み)