室内ハンモックの遊び心 揺られ「極上リラックス」

2016/7/30

暮らしの知恵

木漏れ日の下、ゆらゆら揺れるハンモックで昼寝――。アウトドアで使うイメージが強いハンモックだが、室内で日常的に使えれば楽しさが倍増する。とはいえ興味はあってもなじみが薄いものだけに、実際に使えるものなのか判断しづらい。室内ハンモックユーザーの暮らしをのぞかせてもらった。

自宅にハンモックをつってくつろぐ原田浩次さん(東京都練馬区)

「宙に浮く浮遊感は他ではなかなか得られない」。こう語るのは、東京都練馬区で昭和時代の家屋をリノベーションした一軒家に住む原田浩次さん(42)だ。梁(はり)から下がっているのはカラフルなネット状のハンモック。「休日のくつろぎタイムにお酒やつまみを手の届く所にセットして寝ころべば、家に居ながらにして極上のリラックス気分が味わえる」

原田さん宅のハンモックは全長4メートル、ベッド部分の幅も2メートルほどに広がるが、使用していない時には小さくまとまる。メキシコの伝統手法で織られたネット状のハンモックで高い通気性が特徴。背中に熱がこもらず特に暑い季節には心地よい。細かい網目のため体にネットが食い込まず、むしろ体が包まれる感じがするという。「寝ころぶと脚が自然に高くなるので疲れ解消にもうってつけ。ちょっと休もうと思ったのに何時間も寝入ってしまうこともしばしば」と原田さんは苦笑いだ。

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ハンモックにはネットタイプのほか、ブラジルやコロンビアなどで主に作られるベッド部分が一枚布でできたものがある。「一枚布タイプはネットに比べ安定感が高い。ボタンや手指にもひっかからないので子供が使う際も安心できる」とはハンモック専門サイトを運営するハンモックライフ(東京都三鷹市)取締役の梶原寛さん。いずれのタイプも生成りのシンプルなものからカラフルなものまで色柄も多彩、価格はサイズやデザインによりけりだが1万円台のものがほとんどだ。「最近は暑い時はネット、秋冬には一枚布タイプと通年で使い分ける人も増えている」(梶原さん)

天井からつるすチェア式のハンモック

むき出しの梁があればロープで結ぶだけだが、幅3メートルほどのスペースがあれば柱に取り付け用フックを付けることでハンモックは設置できる。コンクリート住宅の場合は、コンクリート用アンカーボルトを設置してフックを取り付ける。フック類は大型DIY(日曜大工)店などでも入手可能だ。「フックは手の届く位置だとハンモックの脱着に便利。取り付ける位置は乗った時の沈み込みを考えた上で床から1.5~2メートルくらいの場所に」と梶原さんは助言する。「その際、揺れ幅部分も左右1~2メートルほどの余裕を」(同)

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形は違うが、スペースが限られた家屋でもハンモック気分を味わえるタイプもある。

「この部屋にソファがあったら相当の圧迫感でしょ?」と言うのは東京都文京区に住む庄司礼子さん(40)。ソファの代わりはマンションの天井から下がるチェア式ハンモックだ。引っ越して部屋が狭くなったため床を占有せず外してコンパクトにまとめられる点もありがたい。「部屋が狭くなった分、何か楽しい仕掛けや設備が部屋に欲しいなと思っていた点にもぴったり合致」とにっこり。布に包まれる「おこもり感」にも癒やされる。長女(10)もお気に入りで読書タイムの定席だ。

賃貸で壁や天井にフックの設置は難しい――そんな向きには自立式スタンドを利用する手もある。

床に置いて使うスタンド式ハンモック

東京都立川市の野瀬宏一郎さん(34)宅のハンモックスタンドは、部屋や乗る人に合わせ高さが133~160センチメートルの範囲で調整可能、奥行きも90センチメートルとコンパクトだ。組み立ても簡単で庭やベランダなどでも使用できる。ハンモックライフ社のチェア式ハンモック全てに対応できる。スタンド単体の価格は4万5800円。スタンドタイプのチェア式ハンモックは、昼間は子供たちが奪い合い、夜は野瀬さんのDVD観賞の指定席と、一家に欠かせない物になっている。

「中南米など本場ではハンモックは日常に使われる普通のもの」とハンモックライフの梶原さん。「特別なものではなくソファや寝具としてハンモックを気軽に暮らしに取り入れてみては」と提案している。

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■足から乗ると危険
 寝るタイプのハンモックに乗る時は、ハンモックを広げ椅子に座る様にお尻から。この時ハンモックに対し斜めか直角に寝ると安定し体のカーブがほどよく心地よい。足から乗ったり、立ち上がるのは危険な上、ハンモックも傷める。

(ライター 村樫 裕理子)

[日本経済新聞夕刊2016年7月27日付]

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