豪華なキャンプ、グランピング おすすめ東西10施設
面倒はお任せ 手軽に楽しむ
アウトドアが楽しい季節。キャンプに興味はあるけど「火おこしやテント設営が大変」「トイレが気になる」「虫が嫌」と敬遠する人は多い。そんな人向けに手軽で豪華なキャンプ「グランピング」が広がってきた。専門家におすすめの施設を聞いた。
グランピングとは「グラマラスキャンピング」の略。煩わしさを取り除き、快適さを追求した新しいキャンプだ。欧米で流行し日本でも広がり始めた。海外では宝飾ブランドや高級ホテルリゾートがこぞって展開している。
上位の施設ではシェフが屋外でダッチオーブンディナーを提供したり、冷暖房完備のテントに泊まったりと、ホテル並みの設備やサービスが楽しめる。予約が取りにくい場所もあるので、早めに計画を立てよう。
<東日本>
シェフ特製BBQや充実アウトドア
河口湖が眼下に広がる丘陵に昨秋オープンした。赤松の森にテラスとキャビンが並ぶ。食事の準備やテント設営は不要で「アウトドアが苦手な人でも十分楽しめる」(小林孝延さん)。アウトドアに詳しい「グランピングマスター」が常駐し、まき割りや薫製づくりなども体験できる。料理はシェフが提供。グリル中心で、大きな肉や野菜を焼き上げていく。「ここのバーベキューはもはや高級料理」(オズモール編集部)。ダッチオーブンコースもある。
夜は定員2~3人のキャビンで過ごす。「シングル優待プランがある」(井村日登美さん)。(1)通年、1年半前の同日(2)1室5万1000円~(サービス10%込み、食事別)(3)富士急行河口湖駅より車で20分(4)0570・073・066
本格派も大人女子も満足
東京から新幹線で1時間、3万坪の敷地に森や小川、草原が広がる。キッチンやトイレ完備のコテージやツリーハウスなど様々な宿泊施設があり「本格アウトドアから女子旅、三世代旅行まで幅広く対応する」(新居奈津子さん)。ダッチオーブンを使ったローストビーフや鶏の丸焼きなど食材セットが充実している。樹上アスレチックや大きなブランコなどアクティビティーも充実。(1)通年、利用日の3カ月前(2)大人2人で2万5000円など(3)JR軽井沢駅からタクシーで約35分(4)0279・84・2512
首都圏から一番近い離島「初島」の高台にある。テントは冷暖房完備で床はフローリングと「南国の高級リゾートにいる気分」(藤井みささん)。「テント前のテラスにはハンモックがあり、昼寝や読書を楽しめる」(新居さん)。海岸沿いの露天風呂は「ミネラルをたっぷり含んでデトックス効果も期待できる」(オズモール編集部)。(1)通年、利用3カ月前の同日(2)トレーラーヴィラ大人1人1万円~(1棟4人利用時)(3)熱海港から高速船で25分、初島港から徒歩15分(4)0555・30・4580
「大人の秘密基地」がコンセプト。1日1組限定で、船でしか行けない。少人数から40人以上の団体まで利用できる。自然のなか「誰にも邪魔されない最高のぜいたく」(SAMさん)が味わえる。ジップラインにシーカヤック、クルージングとアクティビティーも充実。(1)4~12月(2)大人1人1万7280円(2日間)、4人から受け付け(3)西伊豆町田子漁港から船で10分(4)0558・36・4063
「GO-cam」プランは夕方から利用でき、食材や寝具は不要。都心で手軽にグランピング気分が楽しめる。「東京の夜景を眺めながらのバーベキューは魅力的」(小林さん)。(4)http://the-third-park.com/
<西日本>
水辺でゆったり 気分は海外リゾート
伊勢志摩国立公園内にあるキャンプ施設。水辺のコテージには水上デッキや天蓋ベッドなどがあり「海外リゾートをほうふつとさせ、水に浮いたホテルのよう」(井村さん)。目の前の湖は宿泊者専用で「プライベートビーチ感覚でカナディアンカヌーが楽しめる」(小林さん)。「ペダルボートやサイクリング、プールなどアクティビティーも充実している」(山本貴義さん)。夜は肉厚のステーキを中心としたバーベキュー。朝食はアメリカンサンドイッチセットが部屋まで届く。(1)通年、利用日の3カ月前から(2)大人2人3万2300円~(夕・朝食付、シーズン・タイプにより異なる)(3)第二伊勢道路白木ICから約15分(4)0120・592・364
豪華リビング、エアコンで快適
神戸から車で1時間という立地にこの夏オープン。3種類のテントがあり、最も豪華な「プレミアムテント」はエアコン完備のリビングにキッチンやシャワー、トイレを備え「ホテルのようにくつろげる」(藤井さん)。バーベキューのほか、夜はシェフ考案のディナーが楽しめる。現在は日帰りバーベキューのみで、秋にも宿泊を始める予定(リゾート内併設ホテルは宿泊可能)。(1)バーベキュー施設は7月~12月25日まで(3)山陽自動車道三木東ICすぐ(4)0794・83・5211
淡路島の海岸沿いにある。宿泊施設が多彩で「スウェーデンから輸入した円すい型テントのティピやベルギー製コットンテントなどオーナーのこだわりが垣間見える」(新居さん)。昼はバーベキューや海水浴、夜はバーで過ごすなど「海外のカジュアルグランピングのイメージ」(石井宏子さん)。(1)4月下旬~10月末、利用日の2カ月前の1日(2)1棟1万8000円~(3)神戸淡路鳴門自動車道、西淡三原ICから約15分(4)0799・34・0900
温泉施設「京都 るり渓」内に6月末にオープン。岩盤浴やよもぎ蒸し、酵素浴など温泉施設が充実。テントやキャビンなど4種類の宿泊施設がある。パークゴルフ、プールなど「アクティビティーも魅力」(奥村智子さん)。「朝食に京野菜のジュースが出るなど地元の味を楽しめる」(井村さん)。(1)通年、利用日の半年前から(現在は10月28日までの予約を受け付け)(2)大人4人で3万3000円など(4)阪神高速道路池田木部ICから約40分(4)0771・65・5001
「森に囲まれた中にテント内でたき火ができるティピやアンティークな印象のグランピングテントが点在し、独特の雰囲気がある」(牛島義之さん)。バーベキューは地元食材が豊富。(4)0859・57・3428
◇ ◇
表の見方 数字は選者の評価を点数化。施設名(所在地)。(1)営業期間、予約開始日(2)宿泊料金例(税込み)(3)アクセス(4)問い合わせ先
調査の方法 アウトドアやキャンプの専門家に全国のグランピング施設を聞き取り調査しリストを作成。「大人の女性も満足」「手軽に自然を体感できる」「おしゃれで高級感がある」などの点で評価してもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。
新居奈津子(トラベルズー 旅のエキスパート)▽石井宏子(温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト)▽井村日登美(まちづくり観光研究所主任研究員)▽牛島義之(アウトドアライター)▽奥村智子(コズレ企画)▽オズモール編集部▽小林孝延(アウトドア専門家)▽SAM(アウトドアライター)▽藤井みさ(asoview!編集部)▽山本貴義(そとあそびチーフキュレーター)
[日経プラスワン2016年7月16日付]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。