ファインディング・ドリー水や魚 目を見張る動き

世界初のフルCG長編アニメーション『トイ・ストーリー』(1995年)以来、大人と子供が一緒に楽しめる映画として人気の作品を生み続けるピクサー・アニメーション・スタジオ製『ファインディング・ニモ』(2003年)の続編。

東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇ほかであす公開(C)2016 DISNEY / PIXAR.All rights reserved

ここでは、前作で人間に捕まった息子ニモを捜す父親を助けた忘れっぽくておしゃべりなナンヨウハギのドリー(声・室井滋)が、はぐれた両親を捜す。

手掛かりはかすかな記憶の“カリフォルニア州モロ・ベイの宝石”だけ。ちょっぴり成長したニモや海亀クラッシュの助けでカリフォルニア海流に乗ったドリーは、ニモが凶暴なイカに襲われたとき人間に捕まった。そして連れていかれた先が“モロ・ベイの宝石”と呼ばれている海洋生物研究所。ここに両親はいるのか? ドリーはタコのハンク(声・上川隆也)の助けを得て脱出。さらに両親捜しの旅は続く。

縄張り意識が強いアシカのコンビ、シロイルカのベイリー、弱視のジンベイザメのデスティニー、ペリカンなどなど、ドリーのかかわる動物や魚類、鳥類はどれも愛嬌(あいきょう)がたっぷり。

かつて『モンスターズ・インク』(01年)で毛のふわふわを生み出して魅了したピクサーの技術は、ここでは水面や水の動きに変化を出しながら様々な魚類、海藻の集団の動きで目を見張らせる。この前はディズニーの『アナと雪の女王』の雪と氷に驚いたけど、この夏は水だ!

製作総指揮が現在ディズニー、ピクサーのアニメーション、ディズニートゥーン・スタジオの3つを統括するジョン・ラセター、監督・脚本アンドリュー・スタントンのピクサーの生え抜き。彼らは最新技術を駆使、昔のディズニー・アニメを思わせる説教調がかすかに漂うのも微笑(ほほえ)ましい。ピクサーも大人になった? 1時間43分(短編『ひな鳥の冒険』を含む)。

★★★★

(映画評論家 渡辺 祥子)

[日本経済新聞夕刊2016年7月15日付]

★★★★★ 今年有数の傑作
★★★★☆ 見逃せない
★★★☆☆ 見応えあり
★★☆☆☆ それなりに楽しめる
★☆☆☆☆ 話題作だけど…
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