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心通わせてリアルな対話 連句会、若い世代に人気

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参加者が次々「五七五」「七七」の句を連ねる「連句」をたしなむ層が広がっている。ネット全盛の時代にあって、対面の言葉のやりとりは若い世代を中心に新鮮に映るようだ。

東京・江古田の日本大学芸術学部。文芸学科の授業に連句の創作講座がある。和室の教室をのぞくと、リーダー役である「捌(さば)き」の講師を上座に、学生8人が長机を挟んで並ぶ。連句は「五七五」「七七」の長句短句を交互に連ねる、いわば言葉の連想ゲーム。前回の講義は「這(は)ひわたるほど君恋しけれ」の「七七」で終了。この日は「五七五」を付けるところから再開だ。

学生は歳時記をめくったり、スマートフォンで検索したり。講師が時折話題を振り、雑談に花が咲いたかと思えば、ふっと沈黙。真剣なまなざしで短冊に次々と句を書き込む。約10句が出され、講師が選んだのは「あたらしいピアスつけたる下心」。1時間半で長句と短句計5句を連ねた。

連句では参加者を「連衆」といい、集まった場を「座」と呼ぶ。座の魅力を、ある女子学生は「みんなでわいわい楽しめる」と話す。独りで創作に取り組むことが多い文芸学科の学生には新鮮なようだ。

「連衆の高揚感が句の出来を左右する。連句は雑談が創作に繋がる珍しい文芸だ」。学生を指導する俳人の浅沼璞氏はこう指摘する。同氏は、季語や題材の「式目」(ルール)を緩めた独自の連句形式「オン座六句」を考案。現在、4つの大学で連句を教える。卒業後も地元の連句会などに所属して活動を続ける若者も多いという。

ツイッターでも

詩人で作家のほしおさなえ氏は2014年から連句会やワークショップを東京都内で開く。参加者の7割以上は20~30代。「こんなに気軽でいいんだ」「皆と一緒で作りやすかった」といった声があがり、「(仕事に役立つ)ブレーンストーミングになる」と話す男性会社員もいるという。

13年、ほしお氏が呼びかけてツイッター上で連句の会を催した。意外にも「対面で連句をしてみたいという声が多かった」(ほしお氏)。そこで、実際に集まる連句会を開くようになった。今後は親子向けワークショップの開催なども検討する。

小説家ら言葉のプロ同士が連句をたしなみながら、一般への普及につなげる動きもある。作家の辻原登氏、歌人の永田和宏氏、俳人の長谷川櫂氏は11年から総合誌「中央公論」で3人の連句と座談会を6回にわたって連載。辻原氏の小説にゆかりのある秋田県由利本荘市で6月、初めて一般公開の場を設けた。

結束力高める

3人は1句5~10分の短時間で、際どい恋や地元の話題を織り込んだ句を次々と披露した。臨機応変な言葉のうねりに会場が沸いた。この日の連句は今冬、「中央公論」連載分と併せて書籍化する予定だ。

「相手から普段とは違う言葉が出てくるのも面白い。実際にやってみてほしい。やみつきになるはずだ」と永田氏。俳句が趣味という70代の女性は「連句をたしなむ人は周囲にいないが、会を見て自分でもやってみたいと思った」と話す。

分野を超えて言葉をつなぐ試みもある。30代の詩人、三角みづ紀氏と20代の歌人、野口あや子氏は、詩と短歌を連句のように連ねる連詩歌ユニット「気管支たち」を13年に結成した。

メールでのやりとりのほか、創作を目的とした旅行をするなど共同制作を続ける。「詩人と歌人では書き方も、ものの見方もまったく異なる。自分のなかの言葉が広がったような気がする」と三角氏は言い、自身の創作活動にもプラスになっているようだ。

ネット上での言葉のやりとりが全盛の今日、対面で言葉をやりとりするのは、若い世代にとって貴重な機会だ。大学で連句を指導し「連句の教室」(平凡社新書)などの著書もある深沢眞二和光大教授は「言葉に関心のある学生は増えているが、自己表現にとどまりがちだ。連句の楽しさは、何より他人との協力関係があってこそ。宴会に似た、集団の結束力を高めるための『遊び』である点を伝えていきたい」と話している。

(文化部 岸田将幸)

[日本経済新聞夕刊2016年7月4日付]

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