たまるメールの整理 重要度で「振り分け」活用
重要度で「振り分け」活用
「受信トレイは必ず見るメールだけが入る状態にしておきたい」。日本ビジネスメール協会(東京・千代田)代表理事の平野友朗さんは、受信トレイから優先順位の低いメールを取り除き、重要なメールを見やすくすべきと説く。
平野さんは受信トレイの中で、未読メールが上にくるよう設定している。パソコンで「Gmail(ジーメール)」を使う場合は右上にある歯車のような設定ボタンから設定できる。その上で「少し考えてから返信したいメールにはスター(星)など優先度を示すマークを付けておく」。
メールには大きく分けて3つのタイプがある。(1)1対1で届き、絶対に見るべきメール(2)メールマガジン(メルマガ)など時間がたってから読んでもいいメール(3)開く必要のない迷惑メール――だ。
(1)は受信トレイに残すか、マークを付けて「後から見る」状態にしておく。(2)は未読のままたまりがちで、重要なメールを見落とす原因になる。毎回読むものは受信トレイに残す。惰性で読んでいるものは受信トレイではなく専用のフォルダに自動で振り分けるよう設定して、時間が空いたら読むようにしよう。
メールを自動で振り分ける方法はサービスによって異なる。Gmailの場合は振り分けたいメールを開き、右上の「その他」タブから「メールの自動振り分け設定」を選択。「from」には送信元のアドレスや@以下を指定する。人名や特定の単語、件名でも指定できるが「アドレスを指定する方が正確に振り分けられる」(平野さん)。
「受信トレイをスキップ」にチェックを入れ「ラベルを作成」を選ぶ。ラベルとはメールを分類する箱の名前で、他のメールサービスの「フォルダ」に相当する。過去のメールも振り分けるなら「一致するスレッドにもフィルタを適用する」を選ぶ。
見覚えのないアドレスや怪しいメールが届いた場合も振り分けが有効だ。「このアドレスは全て迷惑メール」とルールを作り、開かずに迷惑メールラベル(フォルダ)に入れる。テクニカルライターの高橋慈子さんは「迷惑メールフォルダのチェックも忘れずに」と話す。必要なメールが紛れることがあるからだ。
スマートフォン(スマホ)やタブレットでGmailを管理する場合は「ラベルを指定しなくても、自動で分類できるInboxという無料アプリがおすすめ」(グーグルの緒方慈子さん)という。
不要なもの 届かせない
そもそも不要なメールが届かないようにするにはどうしたらいいのか。パソコン教室などを開催しているNPO法人自立化支援ネットワーク(東京・新宿)理事長の生部圭助さんは「通販での購入時やソフトやアプリをダウンロードするときに、メールを受け取る設定になっていないか、注意したい」と話す。
ネット通販では、購入を確定する画面の一番下に「このショップからのお知らせを受け取る」「メルマガを受け取る」などのチェックがあらかじめ入っていることがある。見落としがちだが、不要ならチェックを外そう。すでに届いているメルマガでも、良心的な業者なら「配信停止はこちら」と案内があるので、不要なら手続きをしよう。
一方で実在する銀行をかたったり、有名なサービスと偽ったりして、文面のアドレスに誘導しようとする悪質な迷惑メールも増えている。生部さんは「少しでも違和感を覚えたら開かず削除する。開いてしまっても絶対にリンク先には進まない」と助言する。
必要なメールがどこにあるか、分からなくなった場合は検索が有効だ。Gmailは中央上、マイクロソフトのOutlook(アウトルック)なら左上に検索窓がある。送り主の名前などで調べれば、一覧が表示される。メールの量や相手の数に応じて、自分らしく使いやすい整理術を見つけたい。
(小柳優太)
[日経プラスワン2016年6月18日付]
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