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はこだて和牛 あか毛の極み

柔らか赤身 甘みがギュッ

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NIKKEI STYLE

3月26日に開業した北海道新幹線。道の玄関口にあたる木古内駅がある木古内町の肉牛「はこだて和牛」の人気がじわり高まっている。黒毛ではなく、あか毛の和牛。サシ(脂肪交雑)の少ない赤身肉は肉本来のうまみがあり柔らかい。年間生産頭数は200頭余りと希少で、大半が道内で消費される。隠れた名産品をたっぷり味わってみた。

まず腹ごしらえ。函館駅から車で15分ほど、観光スポットの五稜郭のほど近くにある「お肉のつしま」を訪れた。1階は精肉店で、2階にははこだて和牛専門のレストランを併設する。

ヒレステーキ200グラムを注文した。調味料は塩こしょうで、焼き加減はミディアムを所望。焼き上げられた香りに鼻がひくつく。一口サイズに切り分けた肉塊の内面は紅桃色が残る。歯触りは柔らかだ。赤身肉のうまみと脂のほどよい甘みが口中に広がる。やはり赤ワインが不可欠だ。

レストラン代表の対馬浩さん(56)は「黒毛和牛と比べてロースの赤身が多く、味が濃い」とはこだて和牛を評価する。レストランの開業は1997年で、ステーキや焼き肉を求めて道内外から客が絶えない。

◇     ◇

どんな牛だろう。ローカル線で函館駅から木古内駅に1時間かけて向かう。到着した木古内町にあるはこだて和牛の肥育農家は4軒だけ。リーダー的な存在の岡山徹さん(52)の農場を訪ねた。広い牛舎には約100頭がたたずむ。見慣れない記者が近づいても驚いた様子はなく、興味深そうに鼻面を近づけてくる。

「あか毛は性格がおとなしい。寒さに強く病気もしにくい」と、岡山さんは繁殖から肥育まで一貫して手掛ける。木古内町からは年間220頭程度が生産されるが、70頭は岡山さんの農場から出荷される。

同町であか毛和牛を本格的に生産を始めたのは30年ほど前から。肉用のホルスタインの肥育を手掛けていたが、高い収益が見込まれる和牛生産に切り替えられてきた。1990年代初頭に「はこだて和牛」というブランドで販売を始めた。

肥育農家ははこだて和牛の品質向上に共同で取り組む。肥育で特徴的なのはエサにビールかすを与えることで、食欲が増進する。「食いつきが良く健康になる。体重の増え方もよくなる」(岡山さん)。今年からは飼料米も給餌してさらに肉質の向上を図る。

はこだて和牛は誕生から24カ月、黒毛和牛より4カ月ほど早く出荷できる。農家にとっては生産効率が高まるメリットが見込める。

高品質はお墨付きだ。全国のあか毛和牛の品質を競う「あか毛和牛認定農場枝肉共励会」(主催・全日本あか毛和牛協会)で、15年に最高賞を取得した。木古内町ではレストランのほか、スーパーが総菜のコロッケの材料に使い、すし店も宴会料理で提供している。

看板料理として掲げるのが、そば店「瑠瞳(るとう)」だ。店主の飯田勝義さん(40)は「肉に甘みがあって柔らかい」とほれ込む。6年前からはこだて和牛を使ったメニューの提供を始め、ハンバーガーや弁当など6品目に広がった。

弁当を試食した。そばつゆでいためた肉は甘辛さが際立ち、ごはんが進む。脂が少ないためか、たっぷり食べても胃がもたれない。はこだて和牛を使ったメニューには一日10食は注文が入るという。

◇     ◇

木古内町の民宿「宿・きたかい」では、はこだて和牛カレーを定番メニューとして提供していたところ、口コミで人気が高まった。レトルトカレーにして売り出すと、飛ぶように売れたという。函館市の公式観光情報でも紹介されている。

きたかいでレトルトを買い自宅で食べた。ワインのコクと肉のうま味に、やみつきになりそうだ。

人気が高まる一方で、安定供給への不安がある。地元のJA新はこだて(北斗市)によると、「生産農家の高齢化が進む。新規参入も見込みにくい」(営農畜産課)と先行きの不安を隠さない。

木古内町では子牛を育てる農家の支援を始めた。「道南の最高傑作」(お肉のつしまの対馬さん)とも称されるはこだて和牛。幻の和牛にならないことを切に願う。

<マメ知識>ゆるキャラのモチーフに
 木古内町のゆるキャラ「キーコ」もはこだて和牛がモチーフになっている。2012年6月に誕生し、北海道新幹線の駅のある同町をアピールする。有名デザイナーの山本寛斎氏が代表を務める「寛斎スーパースタジオ」がデザインし、無償で提供された。
 北海道旅客鉄道(JR北海道)から「木古内駅新幹線観光駅長」に任命され、各地を駆け回っている。同町の大森伊佐緒町長(63)は「はこだて和牛とともにキーコの知名度も上がっている。地元の活性化につなげたい」と期待を寄せる。

(函館支局長 井上達也)

[日本経済新聞夕刊2016年6月14日付]

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