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理想の家、アプリで形に 施工例を比較しプロに相談

2016/6/9付 日本経済新聞 夕刊

 高齢になった親との同居を機に家をリフォーム、中古の住宅を購入して自分好みの住まいにリノベーション。衣食住の中で、選ぶのも決めるのも一番難しいのが“住”、住まいづくりではないだろうか。どの業者に頼めばいいのか分からない、自分の好みがしっかり伝わるか不安――。そんな悩みを解決し、人生の一大イベントとなる住まいづくりをサポートしてくれるアプリがある。

 「キーワードで事例を検索できて、選択肢も豊富。自分の好みの家になった」。会社員の宮地直紀さん(42)はあるアプリを利用して、築30年の住宅を以前住んでいた米国の海岸をイメージしてつくり直した。リフォームやリノベーションの事例の写真から、建築のプロとつながることができるアプリ、「SUVACO(スバコ)」だ。

■1000業者が登録

 まずは建築家やデザイナーが公開しているリフォームやリノベーションの施工事例の写真を見る。どの専門家に依頼するか決めかねても安心だ。アプリの運営会社の社員で、リノベーション会社や不動産会社出身の「アドバイザー」が相談に乗ってくれる。必要に応じて見積もりやプロ選びの相談をし、依頼相手を決める。

 スバコには現在約1000の業者が登録している。依頼する専門家を決めたら、直接やりとりするという流れだ。

建築家と顧客をつなぐアプリ「Houzz」(東京都渋谷区)

 米国で人気を博し、日本に進出したアプリもある。「Houzz(ハウズ)」は、気に入った施工事例の写真を保存できるほか、気に入った写真に直接メモしたり、自分の部屋の写真を撮って家具などの画像を配置したりすることができる。

 プロが設計・デザインした住宅やインテリアの写真を1000万枚以上掲載し、プロが書いた記事なども読むことができる。

 さらにグローバルにサービスを展開するハウズならではの需要もある。運営会社、ハウズ・ジャパンの加藤愛子代表によると、「海外では日本のデザインが人気で、海外から日本のプロへの依頼もある」という。また建築のプロとしてアプリを利用する1級建築士の小笠原正豊さんは、「写真を通じて利用者とつながることで、視覚的に好みが分かるため、利用者に寄り添いやすい」と、プロと利用者との距離が近いアプリの魅力を語る。「東南アジアなどからの依頼も受けてみたい」と意気込む小笠原さんのように、日本の建築やデザインをアプリで見た外国人からの需要が増えることも期待できそうだ。

■住まい雑貨の情報も

 建築だけでなく、住まいに関わる雑貨などの情報も合わせて配信するのは、「LIMIA(リミア)」だ。住友不動産や野村不動産リフォームなど3600の業者が登録している。登録業者の職種も多様で、建築士やメーカーが約1200社登録しているほか、インテリアグッズやハウスクリーニングの専門家などもアプリで探すことができる。

 アプリで自分の好みのリフォーム事例などを見つけたら、パソコンから見られるサイトで一括見積もりをしてもらうことも可能だ。ダウンロード数は約5万で、「住まいに関わることなら何でも相談できるアプリ」(運営するリミア株式会社)なのが強みだ。

 どんな家にしたいか、言葉で伝えるのはなかなか難しいこともあるだろう。通勤時間や家事の合間に、アプリで写真を見てイメージを膨らませ、気軽に専門家に相談すれば、自分や家族の好み、ニーズに合った家が見えてくるかもしれない。

 スバコ、ハウズ、リミアはそれぞれサイトも運営している。隙間時間にはアプリで、家族と一緒に見るのはパソコンでなど、使い分けても便利だ。

 住まいづくりの予定がある人も今はない人も、アプリを使ってすてきな住まいを想像してみては。

(経済部 光井友理)

[日本経済新聞夕刊2016年6月9日付]

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